脊椎側弯症の手術とリスク
高速道路で一時間の距離。
電話での問い合わせがありました。
脊椎側弯症の診断を受けて整形外科の先生に「早く受けて手術しなさい」と言われましたけど本人は嫌だと言っている。
今度の検査を済ませたら手術の日取りを決める予定になっていますという。
お母さん自身も心配で手術していいものかどうかためらいがある。
周りの身内たちも「やめた方がいい」という。
それでネットで調べて観身堂のホームページを見ましたということで母娘が来院くださいました。
娘さんは高校2年生。
小学校5年生の時に学校の健康診断で気づかれたようですが、その後は整形外科で固定用の装具(コルセット)をつけるよう指導されて現在まで装着した生活をしてきたようです。
しかし、医師の指示のもと装具を7年間装着してきたにも関わらず湾曲は進行しました。
こういう事例は観身堂でも数多く診てきました。
脊椎側弯症に対する医療現場では、装具を着けて側弯の進行を抑えるという目的で装着するのですが、小学生、中学生、思春期の子供には肉体的にも精神的にも相当負担を強いることになります。
そして、装具を装着したから側弯が進行しないとは限りませんし、それでも進行している子供もいます。
ある程度の進行度数まで湾曲が進むようだと手術を勧められる場合もあります。
しかし手術には相当なリスクが伴うことを理解しておく必要があります。
実際に脊椎側弯症の手術をした方が上半身の背中の激痛や肩こり、頭痛、下半身のシビレがあるといって来院したケースがあります。
その方は前述したような症状が手術以前は感じたことが無かったと言います。
画像はとても痛々しい脊椎側弯症の手術痕です。
リスクというのは湾曲のある背骨に沿ってメスを入れ、開いて金具で背骨をボルト締めして固定するのですが、このことによって脊椎の一つ一つをつなぐ靭帯及び筋肉に相当な負担を強いることになります。
勿論、神経にも触れないという保証はゼロではありません。
ですから、そういうことに関して手術後にクレームが無いように承諾書に署名捺印してからの手術になるわけです。
何よりも大きなことは手術後の身体の痛み、不調がないという保証がないということ。
そして女の子にとっては身体に大きく手術痕が残るのは耐え難いことでしょう。
☑ 側弯症の原因には一時的に生じるものや姿勢不良によるもの。
☑ 骨盤が傾いていることによるもの。
☑ 先天的なもの。
☑ 神経疾患によるもの。
☑色々と原因はあります。
学童期から思春期の子供たち、特に女子に発生する特発性側弯症が多いようです。
原因についてはさまざまな研究がされていますが、いまだ医学的には十分に解明されていないのが実情です。(現代の医学説)
今回来院頂いた件の高校二年生の女の子は医師からは手術を強く勧められていましたが、観身堂の所見では今以上に側弯が進行しないように骨格の矯正で対応できると判断しました。
その理由は、先天的な要素よりも後天的な要素が大きいように見受けられたからです。
この子は、骨盤の右がスライドして上に2センチほど上がっていました。
もう一つは、左の骨盤が後ろに捻じれて歪んでいました。
こういう状態だと骨盤の上に立っている背骨はまっすぐ立っていられずバランスを保つために蛇行する習性があります。
これは物理的な力関係の問題です。
二足歩行こうしている人間はバランスの取れた左右の骨盤に支えられているという制約によって運動が成されているものですから致し方のないところです。
観身堂では骨盤矯正によって脊椎側弯症の進行を止めることが可能です。
以下脊椎側弯症についてはこちらをご参照ください。
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