看護師の社会復帰

2021年1月21日

TMさん(20代女性)とはこれまで時々メールのやり取りを通じてカウンセリングということにしてきました。
最初に相談のご連絡をいただいた時は心身の健康状態があまり良い状態ではありませんでした。
しかしTMさんは、ゆっくりと、コツコツと、前を向いて少しづつ努力をしたのです。
TMさんは、西洋医学を学び、医療現場で働く中で医療のありかたに疑問を持ち、世の中の矛盾にきづき、そして悩み、葛藤もし、体調を崩していったのです。
観童さま
この間はお忙しい中お話を聞いていただいてありがとうございました!
今回の観童さんのブログ「人生の矛盾」を見てとても納得しました。
「世の中には本当のことではない、うそ偽りのことがあり、真実といえるようなことがない。ただ、仏の心をもったときが本当の人間の真実である。」という親鸞聖人の詩を訳した言葉の意味を身に染みて感じます。
いまの世の中は、良いか悪いかの2分法で決定する傾向があり、なんでもかんでも病気にしすぎだと思います。
周りの人と上手くコミュニケーションがとれないから「発達障害」だという病名を付け、気分が沈んで不安定だから「うつ病」とか・・・挙げたらきりがありません。
私は小学校から中学校にかけて人と話すことがありませんでした。
家では普通に会話できていたので家族は特別問題視してなかったみたいなのですが、それをずっと拒否していたら入院するほどの病気になり、しかも誤診され生死をさまようことになりました。
他にもそのときに変なことが結構起きていました。
たぶん「話さない」ということは自分の心の中に原因があったのだと思います。
さらにそのあとは精神科に行ったら薬を処方され約10年間も薬漬けの生活を送ることになりました。
このことがきっかけで自分の症状を良くしたい、自分と同じように苦しんでいる人たちの手助けがしたいと思い精神科の看護師になったのですが、医療現場での現実は自分が思い描いていたものとは全く異なりました。
1回に10種類以上の薬を服用させたり、電気ショックをしたり・・・最初は1つの病名だけだったのに増えてたりとか(たぶん薬の投与量や入院日数を増やすため?社会的都合による入院の人がほぼ全員だった)、顔を見ただけで「あの人は精神遅滞っぽい」っていう職員がいたり。
精神科の先生自身が精神バランスを崩して鬱状態になり、薬を服用しながらの仕事をしたり、根本的に治療方法が間違っているから治るものも治らなくなってしまうのではないかととても感じます。
実際に入院している患者さんを見たため不謹慎ですが私は絶対にこんな風になりたくないと強く思いました。
また、私が体調を崩したのは、身体的・精神的・霊的に非常に不安定であったことも理由だったと理解しております。
断薬できた今思うことは、当時の自分は社会が作り上げた常識に捉われていたなぁと。
「薬を飲んでお医者さんにいけば症状が治まるから大丈夫」だとか「病気を薬で治療するのは当たり前」とか、それは医療ビジネスであり決して病んでいる人の為に心を尽くした医療のありかたではありませんでした。
病名をつくって薬を投与すれば儲かるからです。
本当に自分の症状を良くしたいのであれば、自分の心の状態がいまどんな感じなのかを見定め、内側から自分を良い方へと変えていくことが病気を治すうえで大切なことであると思っています。
「この症状は一生治らない」と思っていればそのようになっていってしまうし、反対に「この症状は絶対良くなる」と思っていれば自然とそのような展開になっていきます。
「話さない」ということも同じで、そう思っているからそうなってしまう訳で考えを変えればよかったのです。
話せなかったときの私は「話せるわけがない」って信じていたし、薬をやめられないと思っていたときにはその思いに意識が集中していました。
だから社会の常識に捉われていればいるほど、そちらに意識が集中してしまって本来の自分のものが導き出されなくなってお互い苦しくなってしまうのではないでしょうか。
社会のルールに捉われれば捉われるほどつまらない人間になってしまいます。
断薬できた今はとても幸せです。
もう生きてるだけでいいんだなって、健康で生活できることってとてもありがたいことだなってしみじみ感じます。
離脱症状で苦しかったときは一生この症状が続いてしまうのではないかという不安もありましたが月日が経つにつれて徐々に良くなっていきました。
自己治癒力ってすごいです。
それを高める治療法こそ本当の医学なのではないかと考えます。
自分のことに真摯に向き合わず薬を飲んでいた頃の自分は、日常生活を支障なく送れることが当たり前だと思っていました。
薬をやめ、離脱症状に苦しみ、それを乗り越えた今では普通に生活できることってとてもありがたいことなんだって気付かされました。
この自然な感謝の気持ちが仏の心なのでしょうか。
なんかすごく上から目線ですみません(__)
あと、心が調っている人とつながるということも大切だということもわかりました。
自然とそのような人とつながっていると自分の心も調っていきます。
観童さんのブログを見ると不思議なことに心があたたかくなります。
いつも心に響くことを書いてくださってありがとうございます(*^^*)
日々学ばせていただいています。
これからさらに暑くなってきますがお身体ご自愛下さい。
TM
このメールをいただいた翌日にTMさんと電話でお話しをさせていただきました。
今の彼女は声に張りがあり、会話も上手にキャッチボールができて、「話さない」という過去のできごとが微塵も感じられません。
もう大丈夫です。よくぞ耐えて困難を逃げずに乗り切りました。
彼女は、辛い過去のできごとからとても多くの事を学びとったようです。
今後は未来に向かって強く、たくましく羽ばたいていくことでしょう。
私は、社会復帰を果たした彼女を、心から応援したい。
※きょうも最後までお読みくださいまして感謝もうしあげます。