受け入れる
(承諾を得て掲載しております)
Q 42歳の会社員男性。パートナーも家族も友人も12年おらず、非常に孤独な状態。自分にできることは挑戦しようと、これまで新しい人間関係の構築に努めてきました。でも、相手のあること。
友人を作ろうにも、価値観やフィーリングが合わないという理由で、うまくできませんでした。お見合いも十数回しましたが、洗練?された今の女性からは「古い」「堅い」人間と見られ、ぜんぶ断られました。父も母もすでに他界しています。
姉はいますが、両親の遺産の事でトラブルになって、今は連絡を取っていません。今後は一層孤独が増していくようで、将来が非常に不安です。何とか現状を変えたいのですが、これまで数々の失敗が心理的な足かせとなって、一歩踏み出すのをためらってしまいます。いい年をした男がする相談内容ではありませんが、何か手立てがないものかと模索しています。アドバイスをお願いします。
A 「一人のほうがずっと気楽だ」と考える人もいるかと思いますが、あなたは何とか人間関係を築き、現状を打破したいと必死の努力をされている。求めなければ得られることもないでしょうし解決もないですから、この姿勢が孤独脱出への第一歩であることは確かです。
したがって「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」「犬も歩けば棒に当たる」ということわざもあるように、とにかく懲りずに動くことが出会いとチャンスを広げるでしょうからよろしいかと思います。
おそらく、あなたが「一歩を踏み出さねば」と焦るのもそれゆえでしょう。
ただ、苦手なことにあえて挑戦し続けて自信を失っておられる側面も少々ありそうです。ここはひとつ交友以前に、あなたの生き方を貫きながらも自身を検証してみて、それを改善することもまた大事かもしれません。たとえば、「古くて堅い」にこだわって生きることもあなた独自の美学ではあるかも知れませんが、本当に求めるべきは、あなたらしい生き方であると同時に偏らない、拘(こだわ)りすぎない生き方であって、さりとて他人に合わせて自分を曲げることでもない。このような姿勢が人々の共感を得るかもしれないのです。
しかし、最も大切なことは自分の心を調えることのように思いますがいかがでしょうか。それは何故か。
人間関係がうまくいかないのは外に原因があると思いがちですが、そうではなく内に原因があると自覚することです。内とは自分の言葉であり、行動です。その行動はすべて思いから発動されています。思いは全て心が発信源です。
両親の遺産を巡って血を分けたお姉さんともめて疎遠になるというのは何が原因でしょうかとなれば、ただ一点。欲です。誰が正しいとか間違いとかの問題ではないでしょう。
『堅い、古い』という言葉が含む意味合いはバランスに欠けた状態ともいえます。
偏らない考え方、柔軟な姿勢は自分自身が楽だし、周りの人も和やかにするでしょう。こだわりは自分のなかに持ってはいても人に対しては押し付けるものでもなく受け入れる柔軟な姿勢を忘れない生き方が結局自分の立場を認めていただけることにつながるものです。
人間関係にコツがあるとするならそれはただ一つ『受け入れること』認めてほしい、わかってほしいばかりが先立つとやがてはつまずくことになる。
ひたすらに批難さるる人も無し ひたすらに称賛さるる人も無し いにしえも、今も、未来も
世の中は認められないことばかりじゃない、かといって讃えられる人ばかりじゃない、過去も現在も未来もこれが人の世の常。
孤独はさみしいと思うところもあるが、自分の心の在り方を検証するこの上ない時間でもあり自身を充実させるものです。
内が調えば外が調う、外が調えば周りが調う、周りが調えばすべてがうまくいく。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません