死に方は生き方の中に


人は自分の意思でこの世に生れてきたのか、自分の意思とは別の力によってこの世に生れてきたのか、おそらく誰もわからない。
あの世(4次元世界)において生活しているときに計画した人生設計の青写真も、これまで何度も生まれ変わった過去世の記憶も90%が誕生と同時に潜在意識に内在されてしまうからだ。
しかし、私たちは、あの世において自分が計画し、両親を選び、約束をして生まれてきている。そして、いずれ肉体の死が訪れてあの世の生活に戻るのである。
私たちは死を避けて通ることはできませんし、死については全く選択の余地がなく、その致死率は100%であり、誰もが通る道である。
人生は、自分の心にすべてを委ねてあることだと知っていて生まれてくるのだ。
そして、死の寸前までの生き方は一人一人が自由に決めることができるし、その生き方も自分次第である。
一つは『いずれ死ぬのだから何をしても無駄なことだ』と、今の楽しみだけを追う生き方。
二つは『苦しい、辛い』といって、いつも死に怯え、哀しみのなかで生涯を無為に暮らす生き方。
三つは『死は避けられないことだから、考えない方がいい』と、日々の暮らしだけの生き方。
四つは『限られた人生を、少しでも愛する家族や、人の為に、社会の為に生きたい』と、思いながら何かしら行動する生き方。
どれも、それぞれに意味をもった生き方です。あなたは、どのような生き方をし、選択するのだろうか。
私自身がどれほどの生き方をしているのか、結果が伴っているのかと問われれば全く答を出せませんが、それでも私は四つ目の生き方を選んでいます。
仕事も現役で働けています。これほど有り難いことはない。
空いている時間は少しでもカウンセリングに費やしたいと悩める人たちの話を聞かせていただいたり、月に一度の『心の教室』に向けている。
やがては私にも間違いなく死がおとずれます。死の間際には、『よく頑張ったな、御苦労さまでした。』と、自分自身に言えるような充実した生涯を過ごしたいと思っている。
だから相談にくる人々に笑顔が戻ることを願い、それを楽しみにして私にできることを日々、ひたすら続けています。
愚かなときの人間、賢い人間、誠実な人間、悲しみに暮れたときの人間、どれも人間です。無邪気に遊んでいる子供をみると顔が緩んでしまう。また山に入れば山が好き、海をみれば海が好き、生きとし生けるもの全ての命が素晴らしいと思う。
大人はこどもたちに死に方の手本を示さなければならない。そのためにも生き方の手本を示さなければ、こどもたちは大人になれない。
死に方を学ぶことは、生き方を学ぶことであろう。
過去に囚われない、先を思い悩まない。今を執着せずに生きる。相談者とよく話題になるのが命の話しです。
よく聞かれることのひとつに、『あの世はあるか』という問いかけである。あの世は実際にある。ただ、一般的には見ることができないだけだ。
通常は誰も確認のしようがないというだけで、実際はあります。あるから憑依による霊障トラブルで相談にこられるのである。
しかし、もっと大事なことは確認のしようがない、あの世の存在の是非を問うこと以上に、いま生きているあなた自身が存在しているという事実です。
これだけは疑いようのない確かな現実です。だから私たちに大切なのは、確かな事実である今の時間をどのようにして実りあるものにして生きるか、ということであろう。
変えることのできない過去に拘り、その亡霊に悩まされて大事な時間を汚すことや、先々のことを心配して日々悩み、今の大切な時間を浪費するのはとても勿体ないことだと思うのである。
肉眼で見えないものは認められない。手に触れないものは存在を認められないとする五官に頼った生き方をする私たちには、あの世の存在を確認する術はないのです。であれば今を大切に精いっぱい生きることが心の平和と幸せにつながるでしょう。
更にもうひとつ、『死んだら人間は終わりなのか、何もないのか』という問いかけがある。『肉体は滅びるが、滅びないものがある』と答えます。
これは、私たち人間の肉体という形は火葬されて灰になり大地に帰り大気中にも帰るのですが、無くなったという概念にはなりません。
形が変わっただけで、大きく言えば宇宙に還元されただけのことである。その意味で地球の全ての生命体はこの繰り返しの中で生きてきました。これが私たちの定めでもあります。
だからこそたくさんの汗を流し、優しさを分け与え、今をひたすら生きることが尊いのです。
善く説かれたる法(のり)をききて
身はその法にしたがう
かかる人々こそ
超えがたき
死の境域(さかい)をこへて
彼の岸に至らん
※正しく説かれた人生の在り方を聞いて、執着のない調和された生きかたをする者こそ、煩悩の苦しみから解放され、死の苦しみ、恐怖をも超えて、悟りの境涯に到達するのだ。
ただ一つの命は尊いものです。あなたの生き方や心はやがて子孫の心に受け継がれていくであろう。
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