自己を知る

人生には、幸せな運命もあれば、禍や不幸や様々なトラブルもやってきます。
成功哲学の元祖ともいわれているナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』では人間は自分が考えているような人間になるとあります。
100年以上前のイギリスの謎の哲学者ジェームズ・アレンの大ベストセラー『原因と結果の法則』には、心は創造の達人ですとあります。
私たちは心があり、その心によって思いという力を用いて自分の人生を形づくり、そのなかで様々な喜びやまた悲しみを自分で生み出しています。
その生み出すプロセスをもう少し詳しくみてみますと、の三つになり
で色々思うこと。
で色々しゃべること。
で色々やること。
ということは、思いと、言葉と、行動で
  心⇒身  心⇒行動 このように心が発信元だということがわかります。
そしてこの心、口、体の三つの中でも、最も重要なのはです。
なぜなら、口や体の行いは、心が元になっているからです。
人間は心が思わないことを言ったりしないし、心が思わないことをやったりもしないでしょう。
口が悪いことを言ったら、それは心が命じたこと。
体が悪いことをしたら、やはり心が命じたからです。
その意味で言葉や体より心を重要視するのは大切なことです。
未来の自分を知らんと欲すれば、現在の自分を見よです。
秋に豊かな作物を望む自分が今、何をしているのか。
「未来の運命を知りたければ、現在の自分の思いと姿を見つめたい。」
本当の自分の心はどんな姿をしているのか。
「自分のことは自分が一番よく知っている」と、みんな思いがちです。
ところが、本当は、自分ほどよくわからないものはありません。
たとえば、ギリシャのデルフォイの神殿には、2000年以上昔から、
「汝自身を知れ」という格言が刻まれているとされています。
それほど、自分自身とはわからないものなのでしょう。
日本でも、ことわざに「なくて七癖」と言われますが、どんなにくせのない人でも七つの癖がある。といいます。
では、「自分のくせはどんなくせ?」と聞かれたら、すぐ答えられるでしょうか。
おそらく即答できない人が多いでしょう。
「じゃあ、あの人のくせは?」と聞くと、「あの人なら、あれとあれとあれと……」
といった具合にいくらでもあがります。
私たちは、人のことはわかりますが、自分についてはまったくの無知なのです。
哲学者キルケゴールは『自分自身を忘れるという、もっとも危険なことが世間では、いとも簡単になされている』と警告しています。
自分自身がわからなければ、私たちは本当の意味での向上も進歩もありませんから、気づきもないでしょうし幸せにも気付けないでしょう。
人間生きている以上は幸福にならなければなりませんが、先ずは真実の自己を知ることが非常に重要なことです。
約1000年前の源信和尚は、『よもすがら仏の道に入りぬれば 我が心にぞ たずねいりぬる』という歌をよんでいます。
夜を徹して一筋に仏の教えを学べば自分の心にたどり着くということですが、最後は自分の心が知らされてくるのです。かつてゴーダマ・シッダルタが悟られて釈迦如来となられたように。
では、真実の自分の姿をどのように知ればいいのでしょうか。
世の中には、自分の心をうつす鏡が3枚あると言われます。
1―他人という鏡
2―自分という鏡
3―覚者という鏡
の3枚です。
では、これらは一体どんな鏡で、それぞれ、どんな自分の姿が映し出されているのだろうか。
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Posted by kansindo