大霊(愛)に還る
自然に還る
人間はこの世において魂の修行をし、再び自然に還ってゆくものである、とよくいわれますが、その意味はどういうことなのか、少し述べてみたい。
人類は誰彼の差別なく、人種や男女、年齢、職業、地位、資格、知識の差別が無く、すべて万物の霊長であり、それは「神の子」とも表現されることがある。
人間の魂が四次元世界(あの世)に誕生する以前は、これまた甲乙のない宇宙意識(神)なかに存在したものであった。
この点を人間の目で見ると、それはそのまま調和された自然の姿ともいえるでしょう。
ところが、その宇宙意識から人間の子として分れ、下界という地上世界に出て、転生輪廻するうちに、宇宙意識の分霊である人間は次第に自我が芽生え、不調和な世界をつくり出していったのです。
下界に出るということは、物や金、肉体、地位、職業、資格、名誉、などに翻弄されやすく、それだけに、一方から見ると魂の修行といえるでしょう。
修行という言葉が出る以上、修行の意義なり、目的があります。
この点を例にとって説明すると次のようになります。
宇宙意識を仮に地球の大きさとしましょう。そうして宇宙意識から分れた人間の魂を地球の周囲を飛んでいる人工衛星、あるいは宇宙船と考えてみます。
地球と宇宙船ではその大きさがまるで違います。
しかし、人工衛星なり宇宙船は、たとえ小さくても地球から誕生した宇宙意識と同根であることに変わりありません。
宇宙船なり人工衛星は、地球の周囲を飛ぶことによって、地球を含めた宇宙のさまざまな資料や情報を集めるという経験を重ねていきます。
しかし、やがてその使命を終えると、宇宙船は地球に還ってきます。
人間の修行の目的も、これに似ているわけですが、宇宙船と多少ちがう点は、人間は心の修行が主目的であるので、己の魂の中心である心を地球の大きさにまで大きくしなければならないのです。
地球を離れた時の宇宙船の大きさで地球に戻るということでは、修行に出たとはいえないわけですが、しかし、逆に心を小さくして還る人もいるのです。
私は、月に一度の学習会『心と体の健康教室』を無償で開いていますし、仕事の合間をみながら殆んど毎日相談を受けて人間の心というものをみる機会が多くあります。
人生につまづき自分を変えたいと努力する人、苦悩の真っただ中にいながら、それでも気づかず自分を改めようとしない者、逆に心を歪(いびつ)にしていく者など、様々な人間模様があります。
そこで、心を大きくするにはどうしたらいいかとなると、たったひとつだけ、調えるしか方法はありません。
自然の大調和に已の心を調和させなければなりません。
また、調和させなければ不調和な分だけ苦しむことになります。
人間の心は自由にできていますので、それだけに調和させなければ苦しむという宿命を負っているのです。
自然に還るとは、小さな宇宙船が大きな地球の大きさになることを意味します。
形としての大きさのことではなく、心の大きさのことです。
小さな宇宙船のままでいいということではないのです。
地球を離れた宇宙船は、地球の大きさになって初めて、人間としての修行の目的がかなえられたわけであり、小さな宇宙船が大きな宇宙船になるまでの過程が魂の修行であり、私たちに課せられている天命なのです。
こういうと、では何のために大きくならなければならないのか、小さなままでもいいじゃないか、という見方もありますが、しかし、これは生ある者、ことに人間は宇宙大自然のの姿、いうなれば宇宙意識の能力(自由、創造、慈悲、愛)をもって、あの世からこの世に出てきていますので、その天命をホゴにして還るわけにはいきません。
肉体意識(表面意識)は否定しても、心(潜在意識)はそれを知っており、否定できないのです。
どんな人でも幸福を求めています。幸福の概念、あるいはその主観の置きどころは違っても、幸せを否定する人は一人もいないはずです。
この事実は何を意味するか、ほかでもない、各人が己の天命を知っているからです。
自然に還るというから、人間の魂が山川草木になってしまうという言い方をする人もいます、また、そう思う人があるかも知れませんが、それはとんでもないことです。
人間の魂は不生不滅を超えた存在であり、生き続ける存在であります。
生じる、滅するという枠を超えて、永遠に輪廻している生命体であるということです。
永遠に生きつづける。それも個の魂を持って……。
だから不生不滅なのです。
自然に還ることを仏教では解脱と表現していますが、解脱とは転生のカルマ(業)から遠離(おんり)することをいうわけです。
宇宙意識と同様に真の自由を得る、万物を生かす愛(大霊)に還ることです。
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