世界一、医者が好きな日本人
減薬と断薬の奨め
私の営んでいる整体院には、一部ですが理解ある整形外科の医師から紹介をいただいて来院する方もおられますし、多くの看護師の方々もおいでになります。
しかし、民間療法に関しては理解を示す医師はほとんどなく、むしろ否定的な意見をお持ちの医師たちの方がはるかに多いのが現状だ。
私は医師ではありませんが、雀の涙ほどの医療に関する独学と、これまで24年間の整体施術を通じ、様々な症状を抱えた現代医学で改善できずに訪ねてきた患者さんに施術をし、結果をみることによって考えさせられることは、薬漬けの医療に対する疑問と矛盾である。
どれだけの人たちに断薬の勧めを伝えてきただろうか、数えきれる数ではありません。
小さな整体院ではありますが年間にすると6000回を超える施術の経験で確信を得たことは薬を減薬する、あるいは薬を絶つことで改善される医学的病名を付けられた症状のなんと多いことかということである。
こういうことを私は20年以上にわたって来院者に提言し、減薬、断薬を推奨してきました。
整形外科に通院する症状といえば、加齢とともに多くなる膝関節の痛み、変形性膝関節症、腰痛、肩こり、頭痛、手足のシビレ、疼痛、むち打ち症、四肢・体幹の骨、関節、靭帯、筋肉、神経や脊椎、脊髄など人体の運動器におこるケガや病気の診断、治療などが一般的ですが、これらは相当に改善できるものであります。
例えば、子どもたちがスポーツをやっていて訴える成長痛(オスグット、膝の痛み)や、シンスプリント(ひざ下脛骨筋の痛み)などは、半年、一年と痛みに耐えていて、『体を休めるしかありません」と診断される症状ですが比較的早期に回復します。
しかし、現実には、整形医学において電気療法や投薬、ブロック注射、によって不要な薬を服用している患者さんがとても多いのであります。
また、耳鼻科の分野である、めまい、ふぁふぁ感、メニエール症候群、これなどもさんざん通院して長期にわたって薬を服用しても改善されないどころか、逆に悪化している患者さんはとても多いのだが、耳の中は一生懸命診ても特定できる病巣は見当たらない場合も多い。
薬の副作用と知らず、気づけず服薬を続けるしかない患者は気の毒としかいいようがない。
例えば、メニエール病の疑いありと診断されて、処方されるお薬に、メリスロンとソラナックスというお薬がある。
これの効能を紹介しましょう。
メリスロン、効能
(内耳の血流を増やすことにより、回転性のめまいを和らげます。通常、メニエール病、メニエール症候群、眩暈(めまい)症に伴うめまい、めまい感の軽減に用いられます。)とある。
副作用(過敏症状、発疹などのアレルギー症状、直射日光にさらした部分の皮膚に現れるかゆみ、発赤など、ねむけ、頭痛、不安、手足のしびれ、手足の震え、目のかすみ、ふらふら感、胸やけ、胃痛、口やのどの渇き、動悸(どうき)などが現れることがあります。また、めまいや嘔吐がかえってひどくなることがあります。
ソラナックス、効能
不安、緊張、焦燥(しょうそう)(あせり)、抑うつ(意欲が低下して、ふさぎこむ)といった精神症状を改善する作用(抗不安作用)をもつ薬です。
鎮静作用、筋弛緩作用(筋肉の異常な緊張をやわらげる)、催眠作用、抗けいれん作用(けいれんを抑える作用)、自律神経調整作用(自律神経のはたらきを安定化する)などをあわせもつ薬もあり、鎮静剤、筋弛緩剤、催眠剤、抗けいれん剤、自律神経調整剤としても使われます。
実際には、神経症(不安神経症、強迫神経症、心気症、離人症、解離性障害、うつ状態など)、心身症、自律神経失調症や、更年期障害、腰痛症、頸肩腕症候群などでおこった精神的な不安、緊張、焦燥、うつ状態、睡眠障害の治療に使います。また、手術前後、麻酔をする前などの不安や緊張をやわらげるために使用することもある。としているが怖いとは思いませんか?
副作用
過敏症状(湿疹(しっしん)やじんましんのような発疹(ほっしん)、発熱などのアレルギー症状)がおこることがあります。
薬の種類によって発生の頻度に差がありますが、ねむけ、めまい、ふらつき、けいれん、不眠、失禁、頭痛、眼のかゆみ・かすみ、眼瞼けいれん(まぶしい、眼が乾く、眼があけていられないなどの症状)、耳鳴り、口やのどの渇き、舌のもつれ、手指の震え、言語障害、むくみ、黄疸(おうだん)、脱力感、倦怠感(けんたいかん)、多幸感(理由もないのに幸福感で満たされる)、興奮、せん妄(もう)(幻覚や妄想(もうそう)が現れて騒ぐ)、動悸(どうき)、血圧の低下、頻脈(脈が速くなる)、胃腸障害(吐き気・嘔吐(おうと)、食欲不振、胃部の不快感、便秘など)、横紋筋融解症、間質性肺炎、呼吸抑制、炭酸ガスナルコーシス、乳汁分泌、女性化乳房、悪性症候群(高熱、筋硬直、ふるえ、発汗、頻脈、よだれ、意識障害、骨格筋障害など)といった症状がおこることがあります。としている。
私は、こういった副作用に苦しんでいる患者さんたちを限りなく見てきているのです。
問題はここです。
副作用に苦しみ、そのリスクを抱えたまま医者の処方箋を信じ、症状が改善されないまま、不安感や、恐怖心に動揺し、薬の量が増え、色々な薬を処方され、長期間にわたり薬漬けになっているのである。
しかし、上記のように、耳鼻科でこれといった病気が特定されない場合は、頸椎の捻じれを矯正して正しい位置に戻してやると一連の症状が消えてしまうのです。
めまいや、ふらつきで半年、一年、二年と辛い思いをしてきただけに、一月前後の短期間で症状が消えたときの喜びは、言葉に表すことができないのでしょう、嬉しくて泣き出す人もいます。
どうにも改善できなくてドクターショッピングを重ねた末に、人づてに知って来院される方、ホームページを見て来院する方が述べる感想は、『何でこんなに早く良くなったんですか?』です。
理由はまったく簡単明瞭です。
私のような医師免許のない者がどうして結果を出せるのか、それは「診たての違い」と「施術内容の違い」だけでしかなく、何も特別なことをしているのではありません。
大変無礼な言い分と、お叱りをいただきそうですが、先生方は医学部で学んだ知識の範疇を超えることなく、その知識が全てであり、そのなかだけで患者さんを診ているのではないだろうか。
症状が改善されないために総合病院の整形外科に行って相談したら、「言うとおりに薬を飲まないのなら治せないので来なくていい」と医師にきつく怒られたといっておいでになった患者さんがいました。
このような話は来院する方々から時折聞かされることであり、医療以前に医療従事者としての資質の問題として考えさせられるところです。
ごく一例の説明ですが、整形外科でレントゲンやCTなどで発見されなかった胸鎖関節の亜脱臼(鎖骨と胸骨の接合部)が私の触診で発見され、関節の矯正をし、本来の位置に戻すのですが、こんなことは日常茶飯事です。
この処置が肩こりや、むち打ち症、背筋の張り、四十肩、五十肩、胸郭出口症候群などに功を奏するのである。
しかし、薬をたっぷりと服用して依存している人ほど痛みのポイントや痛みの自覚を見失い、結果的に悪化させ、改善が遅くなることも書き添えておきます。
こういったことは整形外科的な問題、症状に限る話ではなく、自律神経失調症、更年期障害という、寝汗や冷や汗などの異常な汗、慢性的な頭痛や肩こり、下痢、めまい、不眠症、疲労感などの体調不良といったことなどにおいても殆どがホルモン剤や、向精神薬が処方され、かえって回復するどころか症状が悪化しているケースがとても多いというのが実情であります。
ステロイド剤や、抗生物質は、作用が強ければ反作用が強く働くものであり、同時に人間が本来持っている免疫力や自然治癒能力という働きを奪ってしまうことは実証されていることを忘れないでいただきたい。
適切な生活習慣や食事のコントロール、嗜好品の注意、カフェインを絶つ、サプリメント摂取の注意、精神的悩みの解放、あるいはまた症状によっては適切な整体施術などによって快方に向かうのである。
さてきょうは、私がこれまで20年以上にわたって来院者に訴え続けてきた現代医療への疑問、過度な処方箋への警告、医療には依存するべきでないこと、自分の身は自分で分かるようにすべき、ということと同じ意見をもっている医師がいることにとても心強く思い、感銘した著書があることをお知らせしたい。
上述のようなことを、医療界の現役医師が、業界同業者の反発をものともせず公言し、医療の在り方を提唱して刊行し、世に問うた著書を是非紹介したく、ここに一部を転載させていただくことにしました。
このブログを訪問してくださった皆様に医療の在り方についてご一考願えれば幸いに存じます。
以下、近藤誠医師(慶應義塾大学医学部卒業)著書「医者に殺されない47の心得」から転載させて頂きました。
医療と薬を、遠ざけて、元気に、長生きする方法
第60回菊池寛賞受賞の弁
医者を40年やってきた僕が、いちばん自信をもって言えるのは「病院によく行く人ほど、薬や治療で命を縮めやすい」ということです。
医者にかかればかかるほど検査が増えて「異常」が見つかり、薬を飲んだり手術をするハメになる。
薬のほとんどに病気を治す力はなく、副作用は大きい。
ガンが見つかると、いきなり胃や子宮を切り取られたり、死ぬほど苦しい抗がん剤治療をさせられる。
こうして命を縮めます。
「信じる者は救われる」と言いますが、医者を簡単に信じてはいけない。
本書では、医療や薬を遠ざけ、元気に長生きする方法を解説していきます。
私はこれまで、同業者がいやがることばかり言ってきました。
ガンは切らずに治る。
抗がん剤は効かない。
健診は百害あって一利なし。
ガンば原則として放置したほうがいい。
そのためでしょう、私の医学界での受賞歴といえば「そんなこと言ったらダメで賞」とか「近藤をバッシングしま賞」といったものばかりだったので、今回、まともな賞をいただいて、とてもうれしく思っています。
医学界の絶滅危惧種とも言われているので、そんな私を励まそうというお心遣いも、ありかたく受けとめています。
申し上げておきたいのは、患者さんたちがいたから今日があるということです。
乳ガンと言えば、乳房を全部切り取るのが世間の常識だった時代に、私の話を聞いて、乳房を温存する療法を選んだ患者さんたち。
その勇気あるパイオニア的行動によって、今「乳房温存療法」が乳がんの標準治療になっています。
また、ガンは治療しないほうが長生きできる、という私の話に納得し、がん放置を決めた、150人以上の患者さんたち。
そのおかげで「ガン放置療法」を確立することができました。
この賞は、その患者さんたちにも与えられたものだと考えています。
はじめに
世界一、医者が好きな日本人
ある患者さんが「私は死にかけました。インフルエンザのワクチンを打ったらすぐ体がおかしくなって、病院に運びこまれた。何とか助かって、ここに来られました」。
僕が「それはワクチンのせいだ。もう二度とやりませんよね」と言うと「はい」。ところが翌年になったら同じ人が、「今年も、ワクチン打ちました」。
こういう落語のような本当の話が、医療の世界にはあふれています。
逆に言うと「飛んで火に入る夏の虫」のように、医者に自分から近づいて、命を落としたり縮めたりしている人が多すぎるんです。
日本人は世界一の医者好き国民です。
年間ひとり平均14回前後、先進国平均の2倍以上も、病院に行っています。
健診やがん検診も、国からの強い奨励もあるので、せっせと受けています。
とりあえず病院に行けば、医者が何とかしてくれる。
病気の専門家なんだから、病気の防ぎかたも治しかたも、よく知っているはず……。
あまり深く考えずに、たいていの人がそう信じているから、ワクチンで死にかけてもまた医者にかかっているのでしょう。
風邪薬も抗がん剤も、病気を治せない
医者は本当にあなたの病気を防いだり、治したりしてくれているでしょうか。
医者の僕が言うのも何ですが、答えはノーです。
風邪、頭痛、高血圧、高コレステロール血症(高脂血症)、不整脈、ガン……。病気の9割は、医者にかかったからといって治るわけでも、回復が早くなるわけでもありません。
そして、副作用や後遺症のリスクはとても大きい。
たとえば、風邪のウィルスに作用して治せる風邪薬は、まだ発見されていません。
熱を下げる解熱剤やセキ止めなど、不快な症状を一時的に抑える「対症療法薬」も、体はつかの間ラクになっても、回復は遅れます。
発熱やセキなどの症状はすべて、体がウィルスを追い出そうと闘っているサイン。
薬は体の治癒力を邪魔します。
インフルエンザをワクチンで防げるとか、リレンザなどの治療薬で治せるという医学的な証拠はなく、せいぜい「効果が期待されている」レベルです。
一方、風邪薬やインフルエンザワクチンの副作用で亡くなる人は、大勢います。
高血圧のガイドライン操作で、薬の売り上げが6倍に
高血圧患者が4千万人、高コレステロール血症3千万人、糖尿病は予備軍を含めて2300万人・・・と、日本にはすごい数の「病人」がいることになっています。
これは、薬を売るための策略としか思えません。
「このぐらいからは治療したほうがいいよ」という高血圧の基準が、たいした根拠もなくどんどん下がっているんです。
長い間、最高血圧の基準は160EHgだったが、2000年に140に、2008年のメタボ検診ではついに、130にまで引き下げられています。
50歳を過ぎたら「上が130」というのは一般的な数値ですから、たいてい高血圧患者にされ、降圧剤を飲んで「治療」するハメになる。
その結果、薬品業界はホクホクです。
1988年には降圧剤の売り上げがおよそ2千億円だったのが、2008年には1兆円を超えて、20年間で売り上げが6倍に伸びています。
血圧商法、大成功ですね。
総コレステロール値も、日本人は高いほうが長生きだと10年以上前からわかってるのに、基準値はなかなか上がりません。
コレステロール低下薬のスタチン類は年間2600億円の売り上げがあって、関連医療費はその3倍と言われています。
問題は、血圧やコレステ囗-ルを薬で下げると、数値は改善しても早死にするリスクが高くなること。世界中の、数万人規模の追跡調査ではっきりしています。
日本人のガンの9割は、治療するほど命を縮める。
また日本人のガンの9割は、治療するより放っておいたほうが、元気に長生きできます。
かつてニュースキャスターの逸見政孝さんが、悪性度の高いスキルス胃ガンであることを世間に初めて公表し、大手術をして3か月ぐらいで亡くなりました。
僕は20年以上にわたり、「ガン放置患者」150人以上を診てきましたが、スキルス胃ガンであっても、数か月で亡くなった人ゼロ。
普通に暮らしながら、3年から9年も生きた人が何人もいます。
また抗ガン剤は、猛毒です。
抗ガン剤が効くというのは、「ガンのしこりを一時的に小さくする」だけで、ガンを治したり、延命に役立ったりするわけではありません。
日本人のガンのほとんどを占める、胃がん、乳がんなどかたまりを作る固形がんには、抗がん剤はまったく無意味。
つらい副作用と寿命を縮める作用しかありません。
では、ガン検診は?有効という証拠がひとつもありません。
ガンをいくら「早期発見・早期治療」しても、1960年代から、ガンで死ぬ人の割合は下かっていない。
症状がなくて検査で見つかったガンはほぼ、命を奪わない「ガンもどき」。
本物のガンならすでに転移しているので、切除手術や抗がん剤治療は無意味です。
どちらにせよ、ガンはできるだけ放置したほうが、ラクに長生きできます。
医者はヤクザや強盗よりタチが悪い
ここでちょっと、身の回りや有名人で、医者にかかって亡くなった人、体が不自由になった人のことを思い浮かべてみてください。
先ほどの逸見さんのように、テレビなどで活躍していた人気者が「ガンが見つかったので治療に専念します」と宣言し、数か月後に亡くなる悲劇は、最近も「またか」というほどしょっちゅう起きていますね。
死の前の闘病の苦しみも、ひどい倦怠感や吐き気、髪が抜け落ちる、やせ衰えるなど壮絶です。
実は放置すれば疝まないガンは、胃がん、食道がん、肝臓がん、子宮がんなど、少なくありません。
苦しみ抜いて亡くなるのは、不必要な「がんの治療」のせいなのに、医者は新しい患者に「がんはこわいですから、すぐ治療にとりかかりましょう」とささやきます。
濡れ衣を着せられて、ガンはさぞくやしいことでしょう。
がんに限らず、健診でメタボと言われてジョギングを始めたら、心筋梗塞で突然死した、脳ドックで動脈瘤が見つかり、手術を受けたら半身マヒに……。
医者にかかったために命を縮める人は、本当に多い。
医者は、ヤクザや強盗より夕千が悪いんです。
ヤクザはしろうと衆を殺したり、指を詰めさせたりすることはありません。
強盗だって、たいていはお金をとるだけです。
しかし医者は、患者を脅してお金を払ってもらった上に、しょっちゅう体を不自由にさせたり、死なせたりする。
僕も薬害で足を引きずった
実は僕自身も幼いころ、熱が出るたび、開業医の父に注射をされていました。
マラリアにかかり高熱が出たときは抗生物質を打たれすぎて、足の筋肉が変性してひざが曲がらなくなる「筋拘縮症きんたんしゅくしょう」になりかけ、しばらく足をひきずりました。
僕のマラリアが治っだのは、抗生物質のおかげだったかもしれない。
しかし、役に立つ医療であっても、副作用で障害を負う危険と背中合わせだったのです。
それでも、僕たち父子は医療を信じきっていました。
小学校高学年になり、インフルエンザが猛威をふるったときは、級友を10人も家に連れてきて父に「予防注射をしてほしい」と頼みました。
父が黙って全員にワクチンを打ってくれたので、僕は鼻高々でした。
やがて自分も医学の道を志し、学生結婚して子どもが生まれると、わが子によく薬を飲ませました。
薬害のおそろしさを知ったのは、医者になってからでした。
多くの子どもが、ワクチンや解熱剤の副作用で脳に障害を受け、一夜にして痴呆状態になったり亡くなったりしている。
おまけに病気を予防したり治す力はない……。
事実を知ったときは、今まで何と危ないことをしていたのかと背筋が凍りました。
そして「何とかして、医療からプラス面だけを得て、危険を避ける方法を見つけたい。
ムダに苦しむだけの治療や、悲惨な医療死を、ひとつでも減らしたい」という想いが、僕の悲願になりました。
原点は「切り取られるおっぱいを救え」
僕は慶應義塾大学医学部を卒業して同放射線科に入り、ガンの放射線治療を専門に研究、講義、外来患者の診察をしてきました。
アメリカにも留学して日本のがん医療に疑問を抱き、まず1988年に「乳がんは切らずに治るI--治癒率は同じなのに、勝手に乳房を切り取るのは、外科医の犯罪行為ではないか」という論文を、月刊『文藝春秋』に発表しました。
欧米では当時すでに病巣だけを取る「乳房温存療法」が当たり前だったのに、日本では乳房が丸ごと切り取られて、無残でした。
僕はひとりでも多くの女性に温存療法を伝え、ひとつでも多くのおっぱいを救いたかった。
その前、83年に姉が乳がんとわかったときも、欧米の治療成績を見せて「僕なら温存療法を選ぶ」と伝えました。
姉は同意して乳房温存療法を選んでくれて、30年たった今も元気です。
文春の記事は反響を呼び、その後、僕の外来に来て温存療法を選んだ患者さんは3千人、日本の乳がん患者の1%に達した年もありました。
そして20年たった今、日本では乳がんが見つかった女性の6割以上が、温存療法を選んでいます。
僕は世界中のがん治療について幅広く独学し、日本でおそらく最初に、患者へのがんの100%告知にも踏み切りました。
96年刊の『患者よ、がんと闘うな』(文藝春秋)では、ガンには本物と「もどき」があり、どちらにせよ手術や抗がん剤での治療は9割ムダ、と発表して大論争が起きました。
その後、『よくない治療、ダメな医者から逃れるヒント』『大学病院が患者を死なせるとき』(ともに講談社)などの著書で、医療全般の問題にも触れました。
この30年間、土、日も含めて毎朝6時に研究室に入り、診察以外はほぼ医学論文を読むか執筆をしています。いつも机に張りついて、まるでカマボコだなと思います。
患者よ、病気とムダに闘うな
2012年は、僕にとって特別な年になりました。
まず、最長22年診てきた「がん放置患者」たちの経過の総まとめ『がん放置療法のすすめI患者150人の証言』(文藝春秋)を世に出せました。
『患者よ、がんと闘うな』の「がんもどき」理論を実証できて、肩の荷が下りました。
「大学病院の外来なのに、ガンの治療をしない」という、ある意味、奇跡的なことをここまで続けてこられたのは、慶應義塾の「自由」「独立自尊」の精神のおかげと、感謝しています。
さらに今年は、思いがけず第60回「菊池寛賞」をいただきました。
88年に文春に「乳がんは切らずに治る」と書いたとき、僕は「これは日本の医療界への宣戦布告だ。もう出世は望めないし、院内では村八分にされるだろう。でも、ひとりでもわかってくれたら、それでいい」と腹をくくり、ひとりで闘ってきました。
裏街道のガンマンを、見ていてくれる人がいた。
この受賞は、本当にうれしいです。本書にはムダに苦しむだけの治療や、悲惨な医療死から逃れる心得をまとめました。
たとえば最近「予防医学」が全盛ですが、その実態は「患者を呼ぼう・医学」。
医者の。おいしい”お客様にならないように気をつけましょう。
大学病院、日赤、国立がん研究センターなど、世間で「いい病院」と言われる設備のととのった大病院は、「いい実験を受けられる病院」だと思ってください。
がんで苦しみ抜いて死ななければならないのは、がんのせいではなく、「がんの治療のせい」です。
でも、医者は必ず「がんのせい」にします。
騙されないように。
基本的に、自覚症状がなくてごはんもおいしいなら、医者にあちこち悪いと言われたり、がんが見つかっても、忘れるのがいちばんです。
治療をあせると、寿命を縮めます。
今は、調べようと思えば書籍でもインターネットでも、いくらでも情報が手に入る、いい時代です。
今まで「病気のことは医者を信じてお任せ」だった方も、ここで発想を変えて「医者を疑い、自分で調べて考える」癖を身につけてください。
医者に殺されない方法をしっかり身につけて、ムダ死にから身を守ってください。
たったひとつしかない自分の命、自分の体、自分の人生なのですから。
(ここまでが転載記事です。折を見て続きを著書よりアップの予定でおります。)
様々な選択肢があるなかで、もっとも自分にとってはどの方法が最もよい条件であるかということを考えますと、医療は、一つのことで全てを語ることはできないだろうと思います。
近藤誠医師の提言していることは何を言わんとするものであるかを考えてみるのもよいのではないだろうか。この続きは23日に臨時投稿いたします。
※きょうも最後までお読みくださいまして感謝もうしあげます。何かしら参考になるものがありましたら下のバナーをポチッとクリックして頂ければ幸いです。
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