「とりあえず病院へ」は、医者の“おいしい“お客

怒る医師

きょうは臨時投稿です。

前回同様、医療界の現役医師が、業界同業者の反発をものともせず公言し、医療の在り方を提唱して刊行し、世に問うた著書を是非紹介したく、ここに続きを転載させていただくことにしました。

このブログを訪問してくださった皆様に医療の在り方についてご一考願えれば幸いに存じます。

以下、近藤誠医師(慶應義塾大学医学部卒業)著書「医者に殺されない47の心得」から転載させて頂きました。

前回投稿記事はこちらをクリック2014年1月20日(医者に殺されない47の心得)

ここから続編

コンビニ感覚で病院へ

ちょっとセキや熱が出ると「とりあえず病院へ」。

日本人は、なぜこんなに病院が好きなのでしょう。

ひとつはマジメで心配性な国民だから。

もうひとつは、だれでも健康保険証を使って、好みの医療機関で、全国一律の安心価格で診てもらえるからでしょう。

水道の蛇口をひねれば、おいしくて安全な水がいくらでも出てくること。

世界トップレベルの医療を、とてもリーズナブル(納得して)に受けられること。

これは世界に誇れる日本の「二つの安心」です。

僕たちは、体調が悪くなったらいつでも病院に行き、保険証1枚提示すれば、3割程度の自己負担で、必要な治療を受けることができます。

日本ではそれは当然の権利ですが、世界の公的医療保険制度は、国によって大きく異なります。

たとえば盲腸(急性虫垂炎)にかかった場合、日本では、患者負担分も含めて病院に入る医療費は、病状に応じて30~40万円。

自己負担が高額になっても、通常、8万7千円を超えた分は高額療養費で肩代わりしてくれます。

一方アメリカの、約1万9千人の患者の医療費の中央値(金額順に並べた、まん中の人の値)は、盲腸で入院しただけで約270万円。

しかも最安値12万円から、最高は何と1400万円以上まで、医療施設によって信じられないほど格差があります。

国民皆保険制度ではないので、オバマ改革の前はアメリカ人の7人に一人は無保険で、民間保険に入っていても、「医療費の支払いに困ったことがある」人が全体の半分、7300万人もいました。

うち3千万人が、取り立て会社の督促まで経験。

一方、日本の公的医療保険制度は2000年にWHO(世界保健機関)から「総合世界一」とされ、OECDの評価も「日本の医療の充実度は先進国のトップレベル」。

それでいて医療費の対GDP比は、同加盟34か国の中で18番目という安さです。

日本では戦後一貫して低医療費政策をとっていて、医者は「薄利多売」。欧米の医者が1日に診察する患者数は普通10~20人程度ですが、日本の医者は1日に40~50人診るのが普通で、先進国の中では「クレイジー」と言われる忙しさです。

患者からすれば、コンビニ感覚で医者にかかれる。そこが大きな落とし穴なんです。

その医者は、本当に親切なのか?

患者はクシヤミが出れば病院に走り、医者は「風邪ぎみ」と聞いただけで、セキ止め、熱さまし、炎症止め、抗生物質、胃薬……と、わんさと薬を出す。

「ついでに血圧も計ってみますか。あ、ちょっと高めだね。お薬を出しましょう。血糖値も心配ですね」などと、次から次に、検査をすすめられることも多いでしょう。

それを「親切なお医者さん」と、ありがたがっていませんか?

そして、毎年インフルエンザのワクチンを打ち、健診やがん検診も律儀に受ける。

「血圧が高い」「肺に影がある」などと言われると青くなって、言われるままに薬を飲み、精密検査を受ける。

がんと診断されると「手術、抗がん剤、放射線」の標準治療を素直に受け入れる。

医療だってビジネスで、医者にも生活があります。

日本の医者は病人をできるだけ増やして、病院に通わせないとやっていけない。

口車に乗せられるあなたは、医者の“おいしい“お客様。大事な時間とお金を医者に捧げて、命を縮めることになります。

「老化現象ですよ」と言う医者は信用できる。

老化と病気を区別せよ。

僕は医者ですが、ここ数十年、骨折と勘違いしたとき以外は病院で検査や診察を受けたことがなく、薬も歯の痛み止め以外、飲んだことがありません。

うちには血圧計がないので、自分の血圧も知りません。

なぜなら、今の日本で大人がかかる病気はたいてい「老化現象」で、医者にかかつたり、薬を飲んだりして治せるものではないからです。

1996年、厚生省(当時)は高血圧、高コレステロール血症(高脂血症)、糖尿病などの呼び名を、それまでの「成人病」から「生活習慣病」に改めました。

「生活態度が悪いから病気になるんだ」ということです。

そして健診を義務化し、メタボは犯罪のように取り締まられ、血圧や血糖値が「基準値」からはずれると薬で数値を改善、などの指導が、厳しく行われるようになりました。

でも、それらの病気のおおもとの原因は老化なので、抵抗してみても、川の流れに逆らうようなものです。

「成人病」という表現のほうが、ずっと本質をついていました。

体の具合が悪いとき、何か病名がつくと安心し、「年のせい」と言われるとムッとする人が多い。

でも「体も自然の一部」ととらえたほうがいいですね。

老化とは細胞の遺伝子に傷がつき、それが蓄積して、体にさまざまな障害を引き起こす肉体の変化のことです。

先ほどあげた「成人病」のほか、足腰の痛み、がん、不整脈、骨粗しょう症、不定愁訴(更年期障害)、シミ、シワ、白髪や薄毛、ボケ……すべて老化現象で、早い人は20代から気になり始めます。

家や車が、年がたつほどいたんでくるのと同じで、体も年とともに、あちこちガタが出てきます。

家や車は修理できますが、人間はリフォームも部品の取り替えも、そう簡単にはできません。

今盛んにアンチエイジング(抗老化)や若返りが叫ばれていますが、結局やっていることは役に立たないか、見せかけの化粧や整形のこと。

いくらボトックス注射でシワを消しても、もとの皮膚は、年々着実に水分量が減ってシワが増えていきます。

多少の痛みや不自由は「自然の摂理だ、仕方ない。がまん」ととらえて、仲よくつきあっていく。これがいちばん理にかなっています。

むしろ高血圧、高コレステロールなど、年とともに出てくる症状には意味があり、老いに立ち向かうために必要な変化。不用意に薬で抑えてはいけません。

血圧もコレステロールも高いほうが長生きする 。

のちほど詳しくお話ししますが、年をとると血管が硬くなるので、血圧はやや高めのほうが、血液がきちんと体や脳のすみずみに届きます。

体にいい血圧を保つには、よく歩くことです。

血液が下半身に滞留しないで、スムーズに体をめぐるからです。

またコレステロールは細胞を丈夫にするので「減らさない」ことが大事です。

日本人は、コレステロールが高い人ほど長生きです。

お金が許す範囲でステーキ、トロ、イクラなど、好きなものを食べましょう。糖質も、とりわけ脳にとって大事なエネルギー源です。

おいしいものを食べる喜びは生きる意欲につながり、長生きします。手も足も囗も脳もまめに動かして、体をさびつかせないこと。

喜怒哀楽を豊かにして、五感を活性化し続けること。

「よどまない」ことが、何よりの健康法です。

医者によく行く人ほど、早死にする。

医療に満足すると死亡率が26%高い!?

最新の興味深いデータがあります。アメリカの医師会が出している有名な雑誌に2012年、「満足の代償」という記事が載って、大きな反響を呼びました。

医療保険に入っているアメリカ人5万人以上の、医療費と健康の関係を調べるため、5年がかりでリサーチしたら、驚きの結果が出たんです。

5万人が病院に行った回数は、平均して年に5回ぐらい。1年間に受けた医療サービスに対する患者の「満足度」を、

①話を注意深く聞いてくれるか

②理解しやすい言葉で説明してくれるか

②患者自身が話したことを尊重してくれるか

④+分な時間をかけたか

⑤医療スタッフから受けたサービスは満足かという五つの項目別に評価してもらいました。

当然のことながら、親切な病院や医者に恵まれ、ていねいな医療を受けている人ほど、満足度は高くなります。

このアンケートの結果を4ランクに分けたら、満足度がいちばん高いグループは、いちばん低いグループよりも入院日数が9%多く、医療や薬に使うお金も9%多かった。

医療に満足している人は「転ばぬ先の杖タイプ」で、体に何かあると医者に診てもらい、よく薬を飲み、早めに入院。

ところが、4~5年追跡したら、満足度がいちばん高いグループは、いちばん低いグループに比べて死亡率が26%も高かったんです。

病院や薬にたくさんお金を使い、長く入院するほど寿命が縮むなんて、医師会はできれば報告したくなかったでしょうね。

信じる者は、救われない

医者を40年やってきた僕が、いちばん自信をもって言えること。それは「病院によく行く人ほど、薬や治療で命を縮めやすい」ということです。

医者にかかればかかるほど検査が増えて「異常」が見つかり、あれこれ薬を飲んだ り手術をしたりするハメになる。

がんが見つかると「手術、抗がん剤、放射線が標準治療にと言われて、いきなり大事な胃や子宮を切り取られたり、死ぬほど苦しい抗がん剤治療をさせられたり、ストレスも大変なもので、体に悪いことばかりです。

薬のほとんどに病気を治す力はないのに、副作用は大きい。

風邪薬や解熱剤でもアナフィラキシーショック(命にかかわるショック症状)が起きるし、肺がん用抗がん剤イレッサなどは承認後3年間で約8万6800人の患者に使われ、588人が死亡。

ガンよりずっとこわいです。

またメスでお腹を切って腹膜をべ夕べ夕さわるとすぐ傷がつき、癒着します。

癒着から腸がつまるとひどく痛むし、正常細胞のバリアーが崩れたところには、がん細胞がスッと入りこんで増殖しやすいんです。

僕自身、医者になりたてのときは、たとえばガンは、手術や抗がん剤で「治る」と信じこんでいました。

でも、さまざまな患者さんを観察するうちに、「臓器を切り取ってもがんは治らないし、抗がん剤は苦しむだけなのでは」と気づきました。

信じる者は救われる、と言いますが、医療については「信じず、合理的に考える」ことがとても大事です。

「血圧130で病気」なんてありえない。

数値だけ見て、「病気」と信じてはいけない

高血圧患者が4千万人、高コレステロール血症(高脂血症)3千万人……。日本には大変な数の「病人」がいることになっています。

高血圧や高コレステロール血症の「基準値」と呼ばれるものがあります。「これ以上になったら病気」と診断する数値です。

血圧なら上140mHg、下90が基準値で、それ以上は高血圧症とされます。

この基準値がまず、まったくあてにならない。病気ごとの専門学会が作っていますが、談合体質で、根拠なく数値が決められています。

特に高血圧の基準値「操作」は目に余ります。

1998年の厚生省全国調査の基準値は160/95以上でした。

ところが2000年に、はっきりした理由もなく140/90に引き下げられました。

98年の基準値を当てはめると、高血圧の日本人は1600万人、それが新基準では、3700万人もが高血圧になってしまいました。

さらに2008年に始まったメタボ健診では、19864歳までで、糖尿病や腎臓病を合併している場合、ついに血圧130/80以上が治療目標になりました。

高血圧の原因は、9割以上不明です。

また、日本人の血圧を下げることによって死亡率が下がる、心臓病や脳卒中などが減ると実証されたデータは見あたりません。

大人になると動脈も老化して硬くなり、血液を先に送る力が衰えます。

そこで、体は年をとるほど血圧を上げようとします。

脳や手足のすみずみまで血液を送り続けるため。それを薬で下げたら、ボケたりふらついたりしてしまいます。

フィンランドで、75歳から85歳までの「降圧剤を飲まない」男女52工人の経過を見た調査では、80歳以上のグループでは、最高血圧が180以上の人たちの生存率が最も高く、最高血圧140を切った人たちの生存率はガクンと下がっています。

なのに日本では、最高血圧130で病気にされ、薬で下げさせられているんです。       

基準値を下げると、儲かるのはだれ?

その結果、薬品業界はホクホクです。

1988年の国内の降圧剤の売り上げはおよそ2千億円だったのが、2008年には1兆円を超えています。

基準値をササツといじって、薬の売り上げ6倍増。血圧商法、大成功です。

また基準作成委員の多くが、製薬会社から巨額の寄付金を受け取っているのも問題です。

たとえば2005年に作成された、高血圧の基準も含む日本版メタボ診断基準の作成委員会メンバー。

そのうち国公立大の医師H人全具に、2002~04年の3年問に、高血圧などの治療薬メーカーから合計14億円もの寄付金が渡っています。

いまだにワルモノ扱いのコレステ囗-ルも、実は「長寿のもと」です。

1980年代に福井市の約3万7千人を5年間追跡したら、男女とも、コレステロール値の最も低いグループの総死亡率がいちばん高く、男性は、血中コレステロール値が高いほど、総死亡率が低いという結果がはっきり出ています。

しかし治療の基準値はなかなか変わりません。コレステロール低下薬も、億単位、兆単位のお金を生み出す「打ち出の大づち」なんです。

検査の数値を見ないで、体の力を信じてください。

血糖値は薬で下げても無意味で、副作用がひどい

「甘いもの好きは糖尿病になる」は本当か

最近よく「糖尿病予備軍が2千万人」という数字を耳にします。

健診で「このままだと糖尿病になってしまいますよ」と医者に言われたことのある人も多いと思います。

日本人の糖尿病の95%は、インスリンの分泌障害が多く見られる「2型糖尿病」で、欧米人と違って、比較的やせていてもかかりやすいことがわかっています。

原因と言われる「ストレス、アルコール、甘いもの」で直接に糖尿病が起こるという実証はなく、なぞの多い病気です。

日本糖尿病学会の診断基準によると、空腹のときの血糖値(血液中のブドウ糖の値)が110㎎/DL未満で、ブドウ糖負荷試験後(糖液を飲んで2時間後の値)が140未満なら正常。

空腹時が126以上、糖負荷試験後が200以上等となると糖尿病。その間が予備軍になります。

糖尿病がこわいのは、血糖値が高いと血管がもろくなり、心筋梗塞や脳梗塞のリス クが高まって、失明、腎症、神経障害など、重い合併症を引き起こしやすいこと。

確かに糖尿病網膜症で毎年約3500人が、視覚障害者になっています。

また人工透析が必要になる原因のトップは糖尿病腎症で、毎年1万数千人が新たに透析を始めています。

神経障害も手足のしびれ、失禁、手足の壊死など深刻です。

糖尿病には自覚症状がなく、深刻な症状が出てからでは完治が難しい。

それで、健診で血糖値が高めだと「このままでは取り返しがつかないことに……」と脅されます。

しかし、薬で血糖値を下げるのはもっと危険です。

薬を飲まずに、歩け!

1990年代に、イギリスで大々的な試験が行われています。

被験者は2型糖尿病で自覚症状がなく、体重が標準の120%未満で、血糖値が110~270㎎/DLまでの3800人。

くじ引きで2群に分け、A群は食事療法をメインにして、血糖値が270を超えたときだけ薬物療法を行いました。

B群は、降下剤を使って血糖値が常に110未満にとどまるようにしました。

そして10年間観察した結果は、「死亡、腎不全、失明に統計的有意差なし」一方、B群は低血糖による発作がA群の3倍に上りました。

血糖降下薬は、合併症の予防や延命には何の効果もないのに副作用が大きく、過敏症状、下痢、頭痛、耳鳴り、倦怠感、体温低下、眠気、むくみ、視力障害、腸閉塞、肝機能障害などに悩まされやすくなります。

薬で血糖コントロールしていて「いつもだるい」「イライラしてキレやすい」「足元がふらつく」「認知症が出てきた」などの症状があったら、薬害を疑ってください。

また、糖尿病は確かにこわい病気ですが、「予備軍2千万人」はオーバーです。日本糖尿病学会は、1999年に診断基準の空腹時血糖値を、それまでの140から126に変更しています。

根拠もなく、米国やWHO(世界保健機関)の基準値変更に追従して基準をシビアにし、糖尿病患者を激増させています。

血糖値は「歩く、自転車、水泳、ストレッチ」などの有酸素運動を心がけると下がる人が多いことが、運動療法のデータからわかっています。

ほどよい運動は、体をさびっかせないためにも大切です。「血糖値が高め」と言われたら、よく歩くようにしてみてください。

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