退職・引きこもりからの脱出
今回は相談者の協力のもと、そのやり取りを掲載の快諾をちょうだいしました。
相談者、KA様のような体験は決して他人事ではなく、この社会、競争と効率、合理化によって働く場を失うにとどまらず、再就職さえも思うにまかせず、立場的な弱者が淘汰されていく社会構造が厳しく私たちの前に立ちふさがります。
定年まで正社員として働けることで生活の安定が図られ、それが結果的に社会経済を潤してきた日本の経済発展の仕組みがありました。
しかし、近代社会は派遣社員という不安定な立場でしか働けない人たちが多く、2014年3月31日 – 現在2社以上の派遣会社に登録している人がほぼ7割(68.3%)です。
その理由としては 、「派遣先を紹介してもらえる可能性が. 高まるから」です。
富める者と貧しき者、勝ち組と負け組が社会のなかにあって、立場の弱いものに眼を向けることをしない社会、そして人々、他人事であってはならないでしょう。
以下
2016年8月13日 受信
観童さまはじめまして。私、KA(男性・38歳)と申します。
ひょんなことから、観童さんのブログに出会い、その後事あるごとに拝見させて頂いております。
ありがとうございます。
現在、自分の力だけでは、もういっぱいいっぱいの状況でして、観童さんのお力をお貸し頂ければと思い、今日はご連絡させて頂きました。
今から4年前に仕事を辞めてから、徐々に引きこもりがちになり、現在に至ります。
その間、本当に全く外出できない期間が丸1年あり、その1年に関しては記憶もほとんどありません。
現在は、週に1日程度外出できるような状況にあります。
ですが、今のままでは、とても働けるような状況ではありませんし、年齢のこともあり、何とかこの状況を変えたいと切実に思っております。
お忙しい毎日かと思いますが、ご指導頂ければ幸いです。
どうぞよろしくお願い致します。 KA
同日返信
KA様。
いつもブログを訪問していただきありがとうございます。
四年前に仕事を辞めた経緯を詳しくお話しいただけませんか?
それと、あなたが外に出掛けられない原因はなんでしょうか?
観童
8月17日 受信
観童さま。
先日は、お盆休みのなか、ご連絡してしまい、大変申し訳ありませんでした。
そして、お忙しいなか、ご返信頂きありがとうございました。
まず、四年前に仕事を辞めた経緯ですが、当時、私は契約社員として働いていたのですが、その年の三月に契約期間が満了になること、そして自分のなかでも、やりきった感がありましたので、契約更新は可能な状況ではありましたが、辞めるという決断を下しました。
しかし、今振り返ってみますと、次の方向性が決まっていない状態で、辞めるという選択をしたことは、少し軽率だったと思います。
次に、なぜ外出できないのか・・・仕事を辞める辺りからでしょうか、以前観童さんがブログでも書いておられた、潔癖症の症状が出てきました。
実は、中学生の時にも、同じような経験をしているのですが、その時は、ある日突然嘘のように潔癖症の症状が消え、その後、時々軽い症状が出ることはありましたが、生活に支障をきたす程のものではありませんでした。
さて、仕事を辞めた辺りから出た潔癖症ですが、その後だんだん症状が重くなっていき、今後のことを考える余裕もなくなっていくことで、だんだん気力もなくなっていき、死んだらどうなるんだろうとか、何のために生きるのかといった思いも出てくるようになり、だんだん外出する機会も減ってきました。
現在は、以前に比べると、だいぶ楽にはなりましたが、いつも霧がかかっているような感じで、体も重く、なかなか晴れやかな気持ちになれない日々が続いております。
それでは、どうぞよろしくお願い致します。 KA
8月19日 返信
KA様
仕事を辞めるあたりから潔癖症の症状がでてきたということですが、ちょうど仕事を辞めるあたりは、あなた自身のなかにも疲れであったり、ストレスであったりと溜まっていたものがあったのではありませんか。
仕事を辞めるということは、時間がたっぷりあるわけですから、体よりも頭で考え込んでしまうことのほうが多いはずです。
実はこのことが非常に心身のバランスを崩してしまうことにつながっていくのです。
人間は程よく動き、休み、思考するということの繰り返しのなかで健全に生きるようにできています。
どれが突出してもバランスを崩すきっかけになるものです。
潔癖症の場合、突き詰めていきますと、その根底にあるのは拘りです。
不要な事に拘っている自分を正しく自分自身が理解しているかどうか。
先ずは、この辺のところを省みてはいかがでしょうか。
何事にも、拘っている自分が認められたならば、あとはそれを改善していく為の手法に従って少しずつ実践していくことです。
苦しみは心の滞りによって発生するものです。
心も循環しなくては健全とはいえないでしょう。
観童
8月21日 受信
観童さま。
お忙しいなか、ご連絡頂きありがとうございます。
メール拝見させて頂きました。
観童さんの仰る通り、体よりも、頭で考え込んでばかりおりました。
暇な時間がありすぎると、人間というものは、ろくなことを考えないものですね。
始めは、小さな拘りであったものが、雪だるま式にだんだん大きくなって、それに縛られ、身動きが取れなくなってしまう。
結局、自分で自分のことを苦しめていたように思います。
観童さんのアドバイス通り、まずは、不要な事に拘っている自分を正しく自分自身が理解しているかどうか、そのことについて省みるところから始めたいと思います。
そして、程よく動き、休み、思考するという生活サイクルを実践したいと思います。
以前、ブログで、『心から喜べる仕事、誰かの役に立てる仕事、喜びを共有できる仕事を必ずみつける。それが私の「夢」でした。』と書かれていましたが、私にも、同じ想いが今あります。
同じ記事で、『我欲は捨ててもよいが希望は捨ててはいけない』とも、書かれていました。
私も、希望を捨てず、頑張っていきたいと思います。
今後とも、ご指導どうぞよろしくお願い致します。 KA
23日 返信
KA様のメールを拝見していて思う事。
とても文章表現が上手だということ。
これだけ要点をまとめ、言葉にし、ブログの読解力もあり、捉えどころが良い。
そういうあなたが何故、小さな拘りを大きくしてしまい、自分自身を縛って身動きがとれなくしてしまうのでしょうか。
実は、このことに関しても既にあなたは答えを持っておられます。
ですからあなたにアドバイスできることは、これまで申し上げたとおりでございます。
あとは、あなた自身の生活をシンプルにすること。
シンプルにするとは余分なものを捨てることです。
捨てるとは、物のこと以上に、心のなかのゴミを整理してしまうことです。
これをするために外に出て行動すること。
汗を流すこと。
食べること。
眠ること。
時間に起床すること。
太陽を浴びること。
でしょう。
あなたが言うように、「心から喜べる仕事、誰かの役に立てる仕事、喜びを共有できる仕事を必ずみつける。」ということが夢であれば尚更のこと、あなたの場合は中ではなく、外にでることをしなくてはならないでしょう。
どれほど素晴らしい夢や希望を持ってはいても、自分を愛せず、自分が幸せを実感できず、人の役に立とうというのは無理がありますし、正しい生き方とはいえません。
是非、行動してください。
小さな一歩を踏み出し、実践してください。
そういった継続こそが自分の人生を真に豊かなものにするのです。
失礼いたしました。
観童
8月27日 受信
観童さま。
先日は、お忙しいなか、ご連絡頂きありがとうございました。
今回も、頂いたメール、何度も読ませて頂きました。
『文章表現が上手・・・』そのようなこと、今まで言われたことがありませんでしたので、驚きとともに、嬉しさと感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございます。
そして、今回も心に響く助言を頂き、ありがとうございます。
今週の月曜日に、観童さんがブログで書いて下さった記事のなかの文章で、
『花が無心に咲くところに、゛精いっぱい゛のよろこびを他に与える事実を感じます。』
この文章と、今回頂いた助言には、すごく通ずるものがあるように感じられ、今回頂いた助言に対する理解がより深まったように思います。
今回頂いた助言も、是非、実践していきたいと思います。
ブログへの掲載についてですが、私自身、今まで皆様と観童さんのやりとりから、多くのことを学ばせて頂いておりますし、掲載して頂くことは全く問題ありません。
少しでも、皆様のお役に立てれば幸いです。
今回は、お忙しいなか、貴重な時間を割いて、ご相談にのって頂き、ありがとうございました。
今回頂いたメールと観童さんのブログを心の指針にして、これから一歩ずつ進んでいければと思います。
KA
KA様。掲載を快諾くださいましてほんとうにありがとうございました。この場を借りて心から感謝を申し上げます。感謝
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ディスカッション
コメント一覧
私も似た状況なので、非常にKA様に共感します。
KA様はどうかわかりませんが、私の問題は、観童様のアドバイスにある、次のことが存外できないからです。
・外に出て行動すること。
・汗を流すこと。
私は、仕事を探しています。過去の失敗(サービス残業が多いだけでなく、他人のせいにすることが多い雰囲気)から、「どこでも働けるところならいい!ありがたい!」とは思えなくて、あれこれ探しますが、なかなか見つかりません。やっと見つけても、相手の方が、こちらを望みません。そうやって時間はどんどん過ぎていきます。お店や面接に行った会社のオフィスの状態などを見て、「ああ、こうやったら、もっとすっきりするのになあ、もっと感じがいいのになあ」などと思うこともあります。ということは、自分にはやる気があるし、もっとよくするためのアイデアがあるんじゃないかと思います。でも、会社(特に個人経営や中小企業)はだいたい、上の人の言うことを聞く従順な人がお好みではないでしょうか?まあ、確かに、いちいち逆らう人間なら困りますが。自分のような意見を言う人間は意見が正当でも好かれないと思います。私も、仕事の効率とかは考えても、社長、部長、係長の機嫌を損ねないようにとは考えないから、微妙な人間関係を無視しているのかもしれませんが。「謙虚さがない」証拠なのかもしれませんが、社内の人間関係(上の人への)に主に気を配って、できる改善をしないなんて、もったないないというのが正直な気持ちです。
人のために働きたいし、もっと効率よく、もっとよりよく働けると思えるアイデアがあるかもしれません。でも、そうするための入り口にさえもたどり着けないので、自分がこの社会ではだめな人間であると落ち込んで行きます。
KAさんはうつ病を発症していると思います。
潔癖症というのはうつ病の症状のひとつだと思います。
似たような経験をした事があるので、よく解ります。
病院に行くべきのように思いますが、KAさんは、そのような病を通しての苦しみから霊性を高めて行くという人生を選択して生まれてきたのでは?と思いました。
うつ病で心が苦しい中で動けない身体の状態というのは、滝修行と同じようなものだと聞いた事があります。
どうかKAさんに乗り越えて欲しいと思い、コメントさせて頂きました。
lio様
ブログを訪問していただきましてありがとうございます。
KAさんに乗り越えてほしいという温かいあなたのお気持ちは何よりも嬉しいのではと思います。
必ずやKAさんのお心に伝わることでしょう。
コメントをありがとうございます。
観童