狂信・盲信

私のお母さんは『霊感がある』と言ってるという娘(48歳)Aさんからの相談。
『母が高額で様々な御利益グッズを次々と教団から買い自分のところに持ち込んでくるのですが、その度に自分はいつも頭痛がしたり具合が悪くて困っています。必要のないものを持ちこんで増えるばかりでどうしたらいいですか?』という内容でした。
私はこれまで霊感があるという方のお話しも聞いたり、そういった霊的な能力があるという方に直接、会う機会も10数名ほどある。
また霊能者といわれる人たちが出版した著書についてはリサーチの意味から百冊を超えて読んでみた。しかし、実際のところ能力の高低はともかく、文面から人間的良識を感じ取れる人は数人だけであった。
数年前に、一時期テレビで報じられた女性霊能者の書いた本を読んだときに私は大いに、この霊能者の人格に疑問をもったことを記憶しています。
その女性霊能者いわく『私は若いころから筆舌に尽くせないほどの辛酸をなめてきたが、ある日を境に霊能に目覚めた。そして今はベンツを所有するまでになった。・・・・・・』と続く文面を見たからです。
この霊能者という人は何を勘違いしているのだろうか。ベンツを買えたことが著書に乗せるだけの意味をもつことなのか、ビジネスの成功談義をのせて自己アピールしたいだけの実に幼稚で小さな器の精神性がうかがえる。
直感的にこの女性霊能者の先々に危険性を感じてしまった。その数年後やはり問題は起きた。体の健康祈願と除霊の費用を6百万円ほど支払ったが何も改善されないため疑問を持った信者が訴訟を起こした。
この女性霊能者はテレビに出ることで有名にはなったが、心は欲望のためにまっ黒くなってしまっている。問題を起こすのは目に見えていることです。
しかし、このような人間を公共の電波に乗せて視聴率アップと利益をもくろむテレビ局側にも大いに疑問を感じる。
私たちはテレビのショーアップされたこの手の番組に踊らされてはならないし、視聴者が知らないカラクリが巧妙に仕組まれているものです。必ず後から問題が噴出している。
ある日突然、霊能に目覚めたという人の場合は殆んどが動物霊の憑依による影響か、もしくは地獄霊の憑依による低次元の霊障の場合が殆どといってもよい。これは本来の霊能とは異なるものです。
本来の正当な霊能といわれるものは心の完成度に準じて副次的に覚醒した能力でなければなりません。
調和された心の勉強と実践を行っていないものが霊的な能力だけに魅了されてこれを求めることは低次元の霊に憑依される心の隙ができるため最も危険なことです。
反対に心が調和された良識のある人間は全くの普通人ですし、ベンツを買ったとか、豪邸を建てたとか、公(おおやけ)に吹聴(ふいちょう)することはしない。
特に神仏を口にするものの場合、仮に正当な働きでお金を得たとしても、本来はそれに執着することなく世に還元することを考え、行わなければならない。
相談にきた主婦には、人間の都合でお守りやご利益グッズ、お札などを買い込んだりすることの愚か、狂信、盲信することの危険を伝えたうえで、すべて持参していただき、私が処分させていただいた。
私は一般の人々には穏やかに、心の安らぎを得ていただけることを念頭に御話をさせていただきますが、自称、霊能者、拝み屋、占い師という人がお金を頂いている場合は相当に手厳しくその言動をみておりますし、直接お会いした場合は何が正しい事かを申してきました。
何故なら、プロとしてお金を得ているものが人の心の分野に立ち入り誤った導きをしてはならないと思っているからです。
霊障がどうの、心がどうのと言って説いているものが人の弱みに付けこみ欲望をもって暴利を貪ることは断じて許されることではありません。
だが、自分の足元を見ずに、自分のこれまでの言動を省みることもなく簡単に他に依存してしまうところに心の隙ができるから狂信、盲信になりかねないのであって、被害は自分が蒔いた種でもある。
 
 
 

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Posted by kansindo