お金の使い方で生かせること
生活していくためにお金は欠かせません。
しかし、人間にとって重要なのは金もうけにあるのではなく、お金をどのように使うかだろうと思います。
先日、私のところに遠く県外から訪ねてきたご家族がいます。
このご夫婦には可愛いお子さんが五人おられたのですが、末の子はまだ赤ちゃんです。
大変悲しい出来事でしたが、先月はじめに2歳になる前の女の可愛いお子さんを事故で亡くされたばかりです。
その悲しみを理解し、受け止めることはできても、変わってやることができません。
気が狂わんばかりのやり場のない悲しみと、苦しみと、悔しさと、申し訳なさと、淋しさと、自分への怒りと、そして懺悔とのなかでご夫婦が苦しんでおられました。
亡くなった「愛しい娘に会いたい」、そんなお母さんがメール相談をしてきたことがきっかけで遠く岩手まで新幹線でおいでになりました。
ラストの時間でもあり、わずか一時間だけでしたがお話しを聞かせていただきました。
ご主人の心にも悲しみが溢れているのがわかります。
奥さまの心にも深い悲しみとお子さんへの想い、深い愛が涙となって頬を伝わっています。
私自身も涙をこらえることだけで精いっぱいでした。
お互い話し足りませんでしたが時間もせまっておりましたので帰られました。
帰り際にご主人が封筒を差し出しました。
お金が入っていることはわかっています。
私はこれまで、どのようなご相談に応じても1円たりとも頂戴したことはなく、丁重にお断りしましたが、結局、ご夫婦のお気持ちを察し、謝意をもって心付けを受け取ることにしました。
家に帰って封筒を開きましたら高額の10万円というお金が入っていたのです。
私の驚きと、申し訳なさと、ご夫婦の想いを感じ取り、感謝の心を私一人の懐にしまいこむ訳にはいきません。
考えた末、最終的に、後日ご夫婦の快諾をいただき障害者支援の福祉課に全額寄付することになりました。
奥さまの支えがあり、ご主人がご苦労なさって働いた大切なお金ですが、可愛い娘さんを失うことでこのような寄付をして社会に貢献することになろうとは・・・・・・・・。
しかし、代償は大きすぎましたが、Mさんご夫婦の心ある、立派なお金の使い道になりました。
当分のあいだは愛娘への想いが心を占領して苦しいことが続くことでしょう。
私は、このご夫婦は必ずや今の苦悩を乗り越えてくださると信じております。
何故なら、ご夫婦の愛がこれ以上ないほどに真実の愛であることが観えるからです。
このご夫婦のご相談に関してのメールのやり取りを後日、折をみてアップしたいと思っております。
お金に使われる人間
さて、今朝はお金にまつわる私たちの未熟な心について述べてみたいと思います。
「あぶく銭」という言葉があるように、お金があり過ぎることで堕落する人間もいます。
金を儲けることがうまいからといっても、全くその人の自慢にはならないし、また自慢するものでもないでしょう。
持ち得た金を正しくよく生かすということは称賛に値します。
そしてお金を儲けができないことや蓄財できないことも恥にはなりません。
それは中身の問題だからです。
蓄財に奮闘せずに、お金を活かし、人を活かし、自分を生かしている人もいますが、こういう人はやはり尊敬に値する光る心をもっているものです。
世の中には、お金のために生きているような執着した生き方をしている人もいますが、そのために今の生活をまったく楽しめないようでは、これもまた、いかがなものかと思うのです。
お金を貯めるため、何かを買うために、働き・節約することはいいことだと思いますし、働くことを楽しみ、節約しつつ生活を楽しめれば、なおいいでしょう。
でもいつしか、お金を中心の損得勘定が先立つような考え方になって、自分の心を大切にすることを忘れてしまうのは、何かしら人間として偏った観があって違和感を禁じえないところがあります。
そのようなときの人間の目には穏やかさがなく、燃えたぎるようなギラギラしたものがあります。
物質的に豊かになることも恵まれた環境ではあるがイコール幸せなこととも言い切れない。
物はある程度あればよく、それ以上あると逆に心の豊かさは増えないような気がします。
むしろ、お金や物に拘りすぎる人と話をすると、いろんな場面で、その考え方に疑問を持つことが多く、心が豊かとは思えないし、何かしら寂しく思えて致し方がありません。
「お金がたくさんあれば幸せ」、「お金がないと不幸」という価値観こそが不幸の元ではなかろうか。
しかし、実際にはそういう風に思っている人もいるのですが、やはり幸せそうではない。
幸せを感じるためには、先ず、お金の使い方が大事だということでしょう。
自分の為にお金を使っての満足感はその瞬間だけ。
自分と家族が幸せになれるようなお金の使い方ができたら言うことなしだと思います。
立場によっては社員のためにお金を使う人もいるでしょうし、社会に貢献する人もいることでしょう。
ところが、お金が自由に使えないと不機嫌な夫や妻がいたら、それは未成熟な心だといえる。
そこには甘えの精神構造と、わがままがあるからだし、お金の面でも辛抱をする時期がなければ人間の心は育たないでしょう。
お金の使い方はいろいろあります。
私は今まで、やりたいことをやるための時間をたくさん買った、と思っています。
成功・高収入も有り難いことですが、その前に「いい仕事、幸せな仕事」、「喜んでもらえる仕事」にすることを心がけるのが大事だと強く思います。
そのためにも、業種ではなく仕事への情熱という取り組み姿勢が大事だし、その姿勢が自身を成長させ、やがて大きな成長へと導くことになると思うのです。
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