胎教
胎教2
前回に続き今回も胎教に関してお話しします。
どうして障害者が生まれてくるのか。
医学の分野でも解明されていることより究明されていないことのほうが遥かに多い。
子供が産まれて赤ちゃんのうちから英会話など一生懸命教育している人がいるが、そのお母さんは感情的になりやすく、人から忠告されることを嫌い、自分の思い通りにならないといらついて眉間にシワをよせる表情をする。
このように心の起伏が激しい人の波動エネルギーは突き刺すように伝わるからすぐにわかってしまうのだが、この若いお母さんは産まれる前、妊娠前からの自分の心のあり方、夫婦の調和された心がどれほど大切なのかということを殆んどわかっていない。
このお母さんの赤ちゃんはやたらに火をつけたような酷い夜泣きをするが、お母さんの心を穏やかに安らかに、家族みんなが心穏やかに暮らすことをアドバイスしたら夜泣きが殆んどなくなった。
赤ちゃんと一緒に過ごすことだけで愛情を注ぐことになるだろうに、それを優先できるはずなのに、時間が空けば親に預け、自分はジムに通ったり自由な時間を楽しんでいるこのお母さんの子育てに私は疑問を感じた。
知識を詰め込むことが教育だと勘違いして優先するところに、親子のすれ違いや親のエゴが子供の情操を未熟なものにしてしまう。
親のする事、親の声を子供は見てるし、聞いている。親ができなかった事を子供にしろと言っても、それは親の都合であってできようはずがない押し付け。何が大事かを見極めなければならいだろう。
さて医学の専門的なことに関してはその分野に譲るとしてここでは述べませんが、大きな要因のひとつに両親、特に母親の精神不調和があるということと、同時にそうならないためには夫の愛と理解と協力が欠かせないことを述べておきます。
妊娠中、いや妊娠前からの不調和な想念が胎児の発育にどれだけ大きな障害を来たすか、これから更に医学の進歩に伴い明確になってくるであろう。胎教が重要視される理由はここにある。
胎教というと最近のことのように思うかもしれませんが、実際はかなり古い話しで、わが国に胎教ということが言われるようになったのは、七世紀の初め(640年頃)です。
推古天皇の時代、中国へ留学した学者達が持ち帰って来た「千金要方、せんきんようほう」と「病源候論、びょうげんこうろん」によって紹介された。
内容を簡単にいうと「妊娠をしたら、いい絵を見、いい音楽を聴き、いい香を焚き、いい本を読み昔からの聖人君子の教えを学び、心を安らかに静かに、静かにして、正しく坐り、身辺を清浄にし、欲を持たず、心を整えていけば、生まれてくる子供は長寿で、仁義に篤(あつ)く、聡明で、健康で、親孝行であること間違いなし。」というもの。
何とも素晴らしく理想的な話ではあるが、実際に行うことは難しいだろう。
胎教は元来、学問の中の重要な綱目として、奈良、平安、鎌倉時代から江戸時代にまで伝えられてきている。
しかし、どうして奇形児が生まれるかは分からなかったため、色々な迷信が生まれることになった。
例えば妊娠中に兎を食べると、みつくちの子供が生まれる。
にら、らっきょう、にんにくを食べると瘡(か)さ病み(梅毒)の子供が生まれる。
あひる、かもなどを食べると、水かきのような足の子供が生まれる。
しょうがを食べると、指の多い子供が生まれる。
その他、地方地方によって色々な迷信が生まれた。
明治維新を機に西洋医学が導入され、このような迷信は排除されることになったが、しかし、当時の西洋医学は、胎教の正しい面まで迷信として否定してきた。
それでも民間では、1945年の終戦まで胎教は生き続け伝えられてきたが、終戦と同時に、胎教の正しい面も含めて一切迷信として否定され、終戦後、結婚をした若い人々は、胎教というものがあったということも知らない人々が増えてきた。
しかし、ここ二十年位前から胎教は大事だという産婦人科の医者が増えてきているようで、これは大いに喜ばしいことです。
それは最近、障害児が生まれる率が非常に高くなり、妊婦の生育歴や環境を聞き、明らか家庭環境による胎教の影響だということが認められるようになって来たからである。
胎教が見直されるようになってきたのは世界的な傾向であるが、特にアメリカで盛んになってきている。
ブリストル大学のストット博士は
「妊娠中の母親の感情は、胎児の知能や情操の発育に重大な影響を持っている。」と発表している。
精薄児の102名の母親について、詳しく調査した所、66%の母親が妊娠中に大きな精神的ストレスを持っていたことが明らかになった。いずれも妊娠初期のストレスが一番影響が強い。
何故なら、胎児の脳の発育は、医学的に見て妊娠三ヶ月までが重要だからである、と色々な事例を下記のようにあげて発表している。
●生活が派手で外交的でチャーミングだが感情的でヒステリー型で、結婚前ボーイフレンドの多かった母親
●妊娠初期に親が死んでショックを受けた母親
●ガンになることを恐れて、夫との性行為を恐怖していた母親
●夫の死亡によってショックを受けた母親
●酒を飲んで、乱暴に性行為を求める夫を嫌悪した母親
●ある日突然、夫が犯罪者になった母親 ・・等々
サレルノ博士は
「妊娠初期から、精神的ストレスを持っていると、妊娠中毒症にかかることが多い。」と言っている。
奇形児を専門に研究しているインドール博士は
「妊娠中の母親が、しばしば感情的に興奮するとその度に子宮が急に収縮して、血液の流れが悪くなる為に、無能児が生まれる可能性が高くなる。」と言っている。
フレーザー博士とフェインスタート博士は言っている
「妊娠中の母親が、強い精神的な緊張を引き起こすと、副腎皮質ホルモンが体内で多量に生産されて、それが発育途上の胎児に悪い影響を与え、遂には奇形児ができる。」
ノリス博士の研究
「妊娠中、胎内で酸素の供給が不足するような状態になると、精神分裂症や精神薄弱児が生まれる。」
インガールス博士の研究
「特に危険なのは妊娠二ヶ月の終わりから三ヶ月にかけて妊娠初期の母親が流産しかかったり、病気に感染したり、異常に性器出血が続いたりすると胎児が精神異常を起こしやすい。」
日本では、世界的に有名な大脳生理学者で東大教授であった
時実利彦(ときさねとしひこ)博士が次のようにいっていられる。
「妊婦の一挙手、一投足がそのまま赤ちゃんにきざみ込まれる。そして、その赤ちゃんの性格なり、気質の大ざっぱな骨組みは、三歳くらいまでに出来てしまう。だから、精神的環境をよくして、心の健康に充分に気を配ることが必要である。」
このようにして、人生の大事さを心から見つめている医学者や科学者は胎教の重大さに気付き始めてきているが、これも昭和四十年代になってからで、一般の医師を初めとして多くの人達はまだ胎教を迷信だと思っている人が多い。
しかし、胎教が大事であることに変わりはない、その根拠ともいえる出来事を述べてみます。
実例1-ある精薄児の出生環境
その人は結婚するとすぐに妊娠した。はにかみながら夫にそういった。その時はうなづいただけだった。晩酌で少しお酒が入ると夫は急に怒りだした。
『その腹の子は俺の子ではないだろう。俺と結婚する前に好きな男がいたにちがいない。どこの野郎か知らないが、よその奴の子をはらんで俺の所へきやがって。』といきなり殴りつけられた。
夫は酒乱の気があった。平静はおとなしいのであるが酔うと人が変わった。母もいつしか夫の肩を持つようになった。
何度か別れて実家に帰りたいと思ったが、父は早く死んで母は二人の妹を抱えて苦労していて、どうしても帰る気になれずそのうちにと辛抱した。
夫は酔って殴ったりすると乱暴にその人の身体を求めた。精いっぱい尽くした。
酒乱の夫への不信と姑への怨みが胎児の発育を疎外したのであった。生まれた子供は精薄児であった。精薄児を生んだということで遂にその人は離縁になった。
母親の精神的不調和な心の波動が胎児の未熟な肉体と魂に与える影響はあまりにも大きすぎることの証明だろう。
実例2-てんかんの子の出生環境
その子供は暴れるやら机にあがるは、落ち着きのない子供であった。母親はその子供を気にしながら、三歳の時からてんかんの発作が起こり始めたことを話した。四歳の時はまだよかった。
その子が五歳になって、てんかんの発作が起きて気がついてみると、周りにいっぱい人だかりがいる。それで恥ずかしさを覚えて幼稚園に行かなくなりました。
このままでは小学校にも行かないといい出すのではないかとそれが心配で、良いという医者は全部行きましたが、どこでも直す決めてはないということでしたと嘆(なげ)かれるのであった。
「この子供さんは、あなたの子供さんですか。」と聞いた。
「え、わたしの子供です。」
「本当にあなたの子供さんですか。」疑問を持ってさらに聞いた。
しばらくだまって下をうつむいていたその人は、急に小さな声になって、
「そういわれれば、私の子供だといえば私の子供ですが、私の子供でないといえば私の子供ではありません。
その子供が、どういう子供であるか、皆さんはお判りになったであろうか。
即ち「人工授精児」なのである。
結婚して五年間、子供が出来なかった。夫婦揃って検査をしてもらったら、ご主人に妻を妊娠させる能力がないということがわかった。
どうせ生まれないのなら子供をもらってとも思ったが、自分の身体が丈夫なので、どうしても自分のお腹から産みたかった。
夫の許可を得て他人の男性の人工授精児を生むことにした。夫は口では何も言わなかったが、お腹がだんだん大きくなるにつれて夫は明らかに不快な表情をするようになった。
生まれてはきたが夫は抱かなかった。それだけにこの子は不憫(ふびん)だと、その人は溺愛した。そうしてその子供はてんかんになった。
日本では現在、人工授精児が二万人いるというが、その半分が問題児になっている。
厚生労働省「人口動態統計」
平成11年に初めて体外授精出生者数が1万人を越えて以来年々増加している。
全出生者に占める体外授精の割合も増え、いまや55人に1人という割合になっています。
平成15年には不妊治療を受けている人が46万人いるというデータがあります。
今後、晩婚化による高齢出産という流れがますます顕著になり、それに伴って不妊治療に依存する人の割合も増えていくものと考えられる。否、すでに増加している。
もし、このペースで増えていくとすると、平成30年には人工授精児が3万人になっているのだろうか。
アメリカでは人工授精児の人権問題が起こり、自分が人工授精児だとわかった場合、その子どもが本当の父親は誰であるか知りたいと言った場合は、人工授精児の親は、精子をもらったその父親を知らせなければならないという法律を近年になって決めた。
そうなった場合、どのような精神的葛藤が起こるであろうか。考えると恐ろしい気がする。この人工授精には様々な問題が数多くあり、相当なリスクを伴う。
実際に起きた事件を紹介しよう。
1969年の裁判例です。
1998年東京高裁。「AID(人工授精)で生まれた子どもでも、夫が同意していれば、夫の子となる」。この裁判は、離婚した元夫婦が親としてAID子を監護する権利(親権)を争ったもの。
夫が無精子症のため、夫婦は合意の上でAIDを受け、子どもをもうけた。ところが夫婦仲が悪くなり、2年後に別居、その翌年調停離婚した。
妻の側が、「子どもと血のつながりのない夫は、親権者になることはできない」と、その子がAIDによって生まれたことを前面に出して親権を求めた。
高裁は、「夫の同意を得て人工授精が行われた場合には、人工授精の子は、嫡出推定の及ぶ嫡出子である」と判断。つまり夫婦の子であるという裁定です。
ところがAIDで生まれた1歳11ヶ月の女の子をめぐって。夫が「他人の精子を使うことは聞かされていなかった」として、この子と母親に対して、自分の子ではないという訴えを起こした。
この夫婦は1992年に結婚し、93年から不妊治療を受け始め、夫の精子を使って体外受精を5回実施し、1回は妊娠したが、流産した。そこで96年にAIDを受けたという経緯がある。
1998年大阪地裁判決は、夫婦双方が署名押印した同意書がないことなどを指摘し、AIDを夫が事前に承認したとは認められないとして、夫の主張を認めた。
結局、人工授精といえども妻が他人の男の精子で妊娠ししてできた子供をめぐって心情的な部分で納得も理解も、愛することもできなかったということになるのである。
一時の都合と感情によって人工授精までして子供をもうけることの代償は大きい。
ここが進んだ医学でも立ち入ることができない神聖な営みであるし、聖域なのかもしれません。
本来は胎教に関してだけ述べるにとめておけばよいのかも知れないが、出生をめぐって精神的葛藤や霊的視点からみても人工授精は決して、もろ手をあげて賛成とはいかないところが多いため、敢えて述べた。
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