夫婦の現実逃避

想念は正しく使わないと幸福にならない。

不幸だという人は想念の正しい使い方がわかっていない。

誰しもが自分は不幸になりたいと思って生活している人は一人もない、むしろ、幸福になりたいと思って生活をしているのに、出てきた結果は不幸という結果であって、どうしてこうなったのかわからないという人が一杯いる。

そういう人達は想念の正しい使い方を知らなかったのである。

小学校の先生達は、生徒に作文を書かせるとその家族の状況が実によくわかると言っておられる。次の文もその一例であるがこの作文によって考えてみましょう。

親のけんかはわからない(小学校4年)

夕食の時、お父さんが、たくあんをつまみました。そうしたら、たくあんが三つつながって上ってきました。
「何だってこんなたくあんの切りようをするんだ」
「だって、あんなへこんだまな板で切れば、つながるの、当たり前ですよ」
「そんなまな板捨てて、新しいのを買ったらどうだ」
そうしたらお母さんが、
「だいたいあなた、いくら給料をもらってくると思っていらっしゃるんですか」と言って、喧嘩になりました。

お母さんがとうとう泣き出してしまいました。
「今から15年前のあの柳の木の下で、あなたと逢いさえしなければ、たくあんが三つつながっているということでしかられることもなかったのに」
そうしたら、お父さんも
「俺もそうだ」と言いました。
柳の木の下とたくあんと、どういうつながりがあるのか僕にはさっぱり分からないが親のケンカほど分からないものはない。

皆さんはこの作文を見て何を考えられたであろうか。思わず苦笑された方もいるのではないか。

いろいろな角度からの見方があるだろうが、私が言いたいのは、このお母さんのものの考え方の中に架空の夢があるということである。

その愛が、たくあんが三つつながっているという何でもないことを夫婦喧嘩にまで発展させてしまっているという現実である。

この夫婦だって、人並みに仲良く幸福に暮らしたい、夫婦仲良くしたいということは常日頃から思っていられたに違いない。それがどうしてこういうことになったのか。

「まな板を新しいのを買え」と言われたら、「じゃあそうしましょう」と素直に言えば喧嘩にならず、子供達に不安な思いをさせることもなかったのである。

どうして素直に「そうしましょう」と言えなかったのか、それは夫に対する潜在的な不満があったからである。

その潜在的な不満はどこから生まれて来たのか。それはこのお母さんの現実逃避的な夢からである。

「あの柳の木の下で、あなたと逢ったばかりに・・・・・・」という言葉の裏に隠されている心は何であるかというと、「もし、そういうことがなくて、この夫とでない別な人と結婚していたら・・・・・・」という架空の観念的な夢がある。

「もし、別な男の人と結婚していたら」という仮定の上に立って、どんなに幸福な状態を想像してみても、それは全くの儚(はかな)い夢である。

その夢が現実となることは全くないし、そんな夢を追っている限り、夫との現実を、失敗である、不幸である、と思う思いだけがつのってゆくことになる。

現実逃避の想いをもって別な幻想をしても、今という現実の改善にも幸福感も得ることはできないのです。

信仰に逃げてはならない。

現実を改善しようとする努力を放棄して、この人生にあきらめをつけて信仰するというのも逃避である。「あきらめさせる」というという信仰も正しい信仰ではない。

多くの信仰者の中には、家庭にいろいろな問題を抱えていても、自分の心を変えようともせず、家庭の人間関係を改善しようともせず、心が苦しければ苦しいほど信仰に夢中になって、ご利益を求め、ただひたすらお題目を唱え、ご本尊を拝するような信仰という場で心を慰めて、一時、心を解放するという人達が後を絶たない。

そんな信仰は一生続けてみても問題の解決にはならない。

家が面白くないから、夫婦の間が面白くないからといって、そこを逃げ出してお互いに似たり寄ったりの境遇に同情しあって仲良くしようというのは、人生の厳しさから逃れようとする甘えである。

正しい法を知らない指導者達は、甘えで求めてくるものを純粋な信仰だと思って受け入れて、結果的には完全な人生の逃避者にしてしまうのである。

例えば、念仏やお題目を唱えさせる宗教もそうであるし、教祖という個人を崇拝させる宗教もそうである。

真の宗教は大宇宙のなかにある自然の法則に沿った教えでなければならず、人間の生き方はこの大自然の輪廻転生という循環の法則と何ら矛盾することのないものであるということだ。

ご利益求めの宗教は人間の可能性を奪うものであり堕落させるものでしかない。

まさに宗教はアヘンである。

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