愛と憎しみの輪廻


いつの世も男と女であるが故に、ともに必要とし、ともに暮らしながらも行き違い掛け違い、傷つき、大切なことに気づく人もあれば、離れて別な人生をゆく者もいる。
この地上生物は、互いに相反するようなかたちをとりながら、共存関係にあるというものが実に多い。
人間も全く違う男と女が相互協力しなければ、人類は滅びるだろうし、この絶対的な仕組みは何人も侵すことができないのである。
私たち人間の心の内にある愛と憎しみは、裏表の関係であって別物ではない。
何故なら、愛も憎しみも一つの心から生まれる働きだからである。
「愛」は相手があって育むものですが、これは時間がかかるだけに、生涯を通じての人類のテーマでもある。
一方「憎しみ」は一瞬の自我感情で起こりうるもので「愛」が一転して「憎しみ」に豹変する場合がある。
愛が相手に受け入れられない時、その愛が憎しみに変わるといいますが、実は、これは身勝手で自己中心的な考えにほかならない。
押し付けの想いは真実の愛ではないし、自己都合による愛の押し付けは、拒絶と不信感を持たせ双方の間に大きな壁をつくることになるからである。
争いや憎しみは個々の持つ愛の違いから発生するものですが、厳密にいえば愛に行き違いがあってはならない。
本当の愛はこのような行き違いを超えたところに信愛として在るものであろう。
人間は何故に、争い憎しみ合うのか、自分の想いを通したいという自我がそうさせているのである。
幸不幸とはよく言うが、自分を通したい自我の強い人は幸せの心に気づくことは難しいだろう。
人間は平和で豊かなときには手に余るほどに欲張ってはいても、いざ、どん底まで落ちたり、崖っ淵の瀬戸際までくるとお互いに手を差し伸べている。
そんな光景の背景には人間が天からいただいた本性である慈しみそのものを見ることができる。
そして人間はどんなに怒ってみても憎しみを以ってしても、それで事態が好転することはない。
憎しみによってお互いが傷つく前に智慧をもって気づかなければならないであろう。
また『許すこと』も愛であろうし、如何にすれば事態が好転するのか理性と智慧を以ってすれば必ずや妙案も出てくるし、お互いが心地よく理解しあえることのなるのだ。
怒りは破壊のエネルギーであり全てを壊し、憎しみをつくり事態を悪化させるだけである。
「愛」には様々な言葉と形態があります。愛育 、 愛嬌、 愛護、 愛妻 、愛情 、愛想 、愛憎 、愛着 、愛念 、 愛欲、 愛娘(まなむすめ) 愛妻(めづま) 、渇愛、 割愛 、求愛 敬愛、 自愛 、慈愛、 純愛、 情愛 、深愛、 親愛、  溺愛、 熱愛 、博愛 、無愛、 友愛、 恋愛 、等々とたくさんあるのですが最終的には「他者を受け入れて慈しむ」ということに尽きる。
是非は別にして、「あるがままに愛しむ」「無条件に受け入れる」ことが愛の原点であることは確信する。
赤ちゃんが慈しまれて成長するのも「愛」そして、その愛を発揮する親本人自身もまた、自らが慈しまれている存在であることを確認できるということです。
大事なのは、このような他者への愛の投射によってより、自らも愛によって成立している存在であるということが確認できるということです。
愛は輪廻するのである。循環しているのである。無力な赤ちゃんにとって、親の「愛」は単なる愛情ではありません。
人として生きるために必要不可欠な空気や水のようなものです。
なければならないものです。
赤ちゃんへの「愛」の完全なる欠如は、肉体的な死に直結します。
きれいごとの愛とは無縁の、欠くべからざる欲求として「愛」は求められます。
「憎しみ」は「攻撃」の感情です。憎しみは、自分に「愛」が注がれていないことに気付いた時に発生します。
ですから、「憎しみ」は他者を破壊する感情であって、自らの存在を維持する為の他者に対する防御的攻撃ということができます。
憎しみが本能的感情であるのは明白でしょう。
このような意味合いから「憎しみ」は自己保存に原点があります。
憎しみは互いに憎しみを呼び連鎖するものです。つまり輪廻循環するのである。
愛が憎しみを生ずるというのは、執着心にほかならず自己愛を本質とするからである。
人間の心のなかにある愛、そして憎しみという煩悩、それらは武器を持ってわたしたちに襲いかかってくるわけではない。
それなのに、私たちはそれらのものを制御できず、知らず知らずのうちにその虜となり、召使いとなって煩悩の命ずるままに動かされている。
いったいなぜだろうか?
自我感情であり執着である。心に執着という重いものを持っていると軽やかで暖かい愛を与えることはできないであろう。
正真正銘の愛は、惜しみない寛大さを伴うはずです。愛と寛容はいつも共に存在する。
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Posted by kansindo