自己限定の愚かな偽り
『我が教団の教えこそが真理であり、ご利益が凄い』と信者も教祖も口をそろえて入信の勧誘をしているのですが、真理というものは決して一教祖、一教団の専有物ではないし、ご利益がというところほど危険なものはないだろう。
事の真実、法則、秩序、摂理は人間がそのことに気づいたというだけのことであって、人間がつくったものでもなく、発明したものでもない。
真理は人類が誕生する前から大宇宙の意識の表れとしてあったにすぎない。
しかし、真理という大宇宙の意識である愛と慈しみを、唯一なる存在は決して押し売りはしない。
簡単なことです。親が子どもに愛を押し売りするだろうか、慈悲を押しつけるだろうか、ただ健やかな成長と自立を願っているだけであろう。
唯一なる存在はただ提供するのみである。
それを受け入れるか拒否するかは私たち地上人間の選択に任されているということだ。
が、やがては遠くない未来には人々の全てが、いずれ、それぞれに持てる神性を確信してくれるであろう。
それをあくまでも否定する者は、浅薄なる頑迷さの網にかかり、宗教の教義、戒律、規律という名の足枷をはめられ、鉄の如きドグマによって束縛された者たちのみであろう。
そうしたドグマ主義者、頑固なる迷信家、偏狭なる信者、独善家は人類の目的にさえも気づけず、何のために生きているのかという己の使命さえも気づくことはない。
否、魂に泌み込みこんだ古い信仰に何よりの安心立命を見出す者もまた、気の毒であり、手助けしがたい存在である。
しかし、彼らにもいずれ気づきの時が訪れよう。今はその時ではない。
このブログを読んでくださっている人のなかに志を同じくする進歩的求道者がおられましたら、心からの敬愛と感謝の心を伝えたい。
これまで私が申し上げてきたことは、法則、摂理、秩序というものを愛と慈しみをもって日頃の生活に活かすという実践こそが心の修行なのだと解していただきたいのですが、しかし、理性の天秤にかけ、知性の光に照らし、得心がいかなければ拒絶していただきたい。
十二分に得心するまでは決して同意することも行為に出ることも求めない。
常に探究心と疑問をもって咀嚼(そしゃく)して、盲信、狂信はしないことである。
何故なら霊的教義の正しい内容は正しき理性を得心させるものでなければならないからです。
かつては、シナイ山にて四十日、四十夜、嵐の如き口調にて啓示された戒めの十戒を授けられたモーゼ。
荒れ野に四十日も身をおき、悪魔の誘惑に打ち勝って後、慈愛と滅私の純心さをもって、より崇高なる愛を人の道として説いたイエス。
王家の子息という地位を捨てて出家をし、6年間の苦行も捨て、禅定瞑想のなかで調和することで大悟された仏陀(釈迦)が説いた人の道は慈悲であった。
偉大な先人たちの説いた真実の言霊を教条的に、あるいは理論的、哲学的に書き改めた観念的遊戯に人の道があるのではない。
人の道は素朴でありシンプルであり、暖かいものでなければならない。
人の道は古きを知って更に昇華させていくところにこそ向上があるだろう。
真実の言葉を受け入れるか拒否するかの問題は、本質的には個人の問題でしかなく、受け入れる者は進歩し、拒否する者は退歩する。
そしてそれに関われる背後の天使が、あるいは喜び、あるいは悲しむ。それだけのことに過ぎないということだ。
大宇宙意識の摂理と人間的解釈とは毅然と区別せねばならないし、人間が勝手に解釈し、それをイエスの名において説く教説、仏陀の名において説く教義。
イエスも仏陀も自ら否認されるであろう教説、教義を黙認することはできないし、偉大な先人の面目を汚すことになるとすれば潔しとはできない。
例えば、病気や怪我によって医療が必要なときに、輸血をすれば身が穢れるからと輸血を拒否する信者がいる。
勿論、輸血によって身が穢れるはずはないし、肉体に執着した非常に幼い教義と言わざるを得ない。たとえ肉体は病んでも朽ち果てても魂は穢れるようなものではないということを、この教団は失っている。
人の魂は、この世とあの世とを生き通しの生命である。
肉の身を自分と見、肌に触れぬものはなにもないとする自己限定の愚かなる心は唯一なる意識との障壁となってしまう。
これほど恐ろしい偽我はない。
人はいずれは、感覚以外の世界の住人となり、生命の尊さ、素晴らしさを認識しなければならぬものだ。
バイブルや仏教の経典を正しく指導せず、また理解せず、その心を掴み損ねて、ただ字句どおりの解釈に固執する余り、疑問さえもたず、無知の為せる業とは言え、逆に唯一なるものへの不敬を働いている人たちは多いのです。
このような人たちは己を偽るという最大の業を上塗りして実在界へ帰るのである。
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