点の現世・線の過去世

謙虚

人間の驕り

『私が予算をとってこの道路をつくりました。』自分の支持基盤である自治会の席に列席した村議会議員が挨拶がてら自分の功績だと主張していたのだろうが、聴いていて心地よいものではなかった。

人は、ややもすると自分を過大評価しがちです。

それも自分がなんで在り、何をなすべきかを悟っているならまだしも、地位、名誉、知識が人より優れているという理由から、そのような偏見が生まれるとすれば、それは驕りであり、その人はなかなか大事なことに気づくことが出来ないでしょう。

大事な事とは、人間はお互いの協力のもとに助けられるている存在であるということ、即ち相互扶助によって生かされているということだ。

財源が人々の税金であるということを忘れて、『予算をとってきた』と自分の功績を自慢したがる公人は見苦しいというほかはない。

仕事は自慢するために為すのでもなく、勝ち負けのために為すものでもない。

人間は仕事を通じて己を磨くことが本来の目的あり、結果的に給料という糧を得るということである。

私たちは衣食住をみても、何一つとして自分が生み出しだしたものはなく、大自然の資源をいただき、誰かの手によってつくられることで、私たちの生活に利用できるものなっている。

人の一生は、日本人の平均寿命からいえば80年前後から、長くて百年です。

だが、本当の一生は、そんなに短いものではありません。

何億、何十億年の年輪を重ね、現在、ここに在るのです。

何億、何十億年の過去世は、潜在意識の中に沈み、容易に外には出てきません。

人はこうした過去をもって、ここに生きているのですが、そうした長い年輪と、その短かいこの世の一生とは、比べものにならないひらきがあるのです。

いまの人生を終っても地上生活が終わっただけのことであり、あの世にいけばまたあの世での修行生活が始まるのである。

この地上での短い一生の過程のなかで得た知識、地位、名誉におぼれるとすれば、これほど浅薄にして、自己を偽るものはありません。

今世のわずかな80年前後の一生を点としてみるならば、これまでの生まれ変わってきた過去世の生涯は計り知れないほど長いものであり線とみることができます。

線と点を比較してみて欲しいものです。……長さが違います。

これが私たちの人生であり、天の摂理によって成された転生輪廻の姿であります。

とすれば今世で得た知識、名誉というものが、いかに頼りないものであり、夢と幻のようなものであるかということを知るでしょう。

正しい生き方によって潜在意識から湧き出る智慧は、線のなかに内在されています。

その智慧は地上生活における知識が呼び水となることはあっても、知識そのものから生まれるものではないのです。

点のその一生を、謙虚に、素直に、正しい道に、即ち正道にもとづいた想念と行いを重ねていくうちに、なかば、忽然として現われてくるものです。

自己を過大に評価し、知識におぼれ、地位に固執した生活を習慣にしてしまっていると、こうした内在された智慧をひもとくカギを、自ら閉ざしていることになるのです。

さらに、もっと具体的に、卒直にいうならば、人の過去世は十人が十人、正しい道を学び、自分の血肉としているかというと、必ずしもそうではありません。

人は易きに流れるものでありますが、正しい道を学ばないのに、それにもとづく智慧も出てこないのも道理ではありませんか。

この世では様々な出来事があり、多くの人ともめぐり合います。過去の世において縁があり、今の世においてもその縁につながったことは、何よりも大事にしなければなりません。

しかし過去がわからず、あの世のことを、知識の範囲しか知り得ないとすれば、まず現在の自分自身を、正直に、素直に見なおすことが何よりも大切です。

自分の心に、誰もウソはいえないはずだし、そのウソのいえない自分に立ちかえり、日常生活についても、謙虚になることが、大きな気づきを早める導因となります。

己を知るには、まず何はさておき、謙虚な心から始まり、謙虚な心を持ち続けることです。

そうしてその謙虚な心の培養は、今を置いて、永遠に、そのチャンスは訪れてこないということも知ってもらいたいものです。

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