秘められた己の心
〔問い合わせ〕 このブログで言っているところの正しい生き方の法則(正法)の教えというのは、例えば、他人に対し間違ったことをしても、また悪いことをしても、自分の心が神に忠実ならそれでよいのでしょうか、また神様だけに謝罪し、それで万事が済むならこの世の中は至極気楽なものです。ともあれ、自分の心だけで幸福になれるとは思えないのですが、この点について具体的に教えていただきたい。
先ず、神に忠実である人間が、人には不忠実なんてことは絶対にないことですし、人に不誠実な人が神に忠実であろうはずがありません。
「いや、自分は神に対して忠実ですよ」とは言っても上記のような場合は間違っています。
何故なら、神に忠実である人間が人に対して不忠実、不誠実、無慈悲、愛に欠けているはずがないからです。
正しい生き方の法則は決してそのような自己都合であってはいけません。
また、神様に謝罪して万事が済む、許しをうければ万事ことが済むというものでもなく、まったくの早とちりです。
神様の許しをうけるということは、厳格にいうと許しに対する償いがついてまわるものです。
自分の心の罪、心の垢を落とすということは「許してください」と、祈ることに終わるのではなく、反省したことを生活の中で実践することで偏りのない生き方を身につけるということでなくはならない。
悪いことをさんざんやってきて、最後の土壇場で(すみません、悪かった)というだけで万事済まされるならば、こんな楽な話はありません。
ブログの過去の記事をよく読んでいただきたい。そのようなことはなに一つ書いていないことが分ります。
自分の心だけでは自分か幸福になれないという疑問ですが、自分の心というものをふりかえってみたことがありますか。
もしあるとするなら、自分の現在の苦悩の原因がどこにあるかわかるはずです。
いいとか、悪いとか、楽しいとか、つらいという感情はとこからくるのでしょう、肉体ですか、それとも環境ですか、それを感ずるのは、ほかならぬ自分の心ではないですか、ここが重要です。
また、人の苦しみ、悲しみが理解できるのも、心かあるからです。脳ではありません。
自分の手をつねれば痛いし、蚊に刺されればかゆいぐらいは誰でもわかるでしょう。
愚痴や、しっとや怒りに心が燃えていると、こうした素朴な感情ですらわからなくなります。
そして、人の苦しみ、悲しみを平気で見ていられるようになりますが、人の心というものは、さまざまな虚飾をぬぐい去っていくと、人も自分もそう違わないものであり、また、苦悩の原因が自分の環境や心の外にあるものではない、ということがわかるものです。
ご質問の自分だけの心とは、自分本位の心を指していることではありませんか。これではいつになっても心の実相(ほんとうの姿、働き)はわかりませんし、人間とはどういうものかも理解できないでしょう。
たしかに、人間とは心と肉体、そして経済というものがついてまわるので、心だけ、精神だけの精神偏重主義に陥ると、さまざまな弊害が出てくるでしょう。
というのは、山のなかで独居生活をし、他に迷惑をかけないならそれも可能でしょうが、現実は職業を持ち、仕事をし、そうした中で、いわば人間同士の共同社会をつくっていますので、自分だけのことを考えるわけにはいきません。
つまり、健全な心と体、明るい環境、安定した経済が望まれてくることになります。
また、社会というものはさまざまな魂を持った人たちの集団ですから、ますます全体的な調和を図る必要が出てきます。
人間の本来のあり方も、心と肉体の調和であり、個人と社会の調和でなければならないでしょう。
しかしながら、心と肉体、個人と社会の根底にあるものはなにかといえば、それはほかならぬ各人の正しい心(偏らない心)なのです。
すべてはここに帰着してくるのです。
つまり、自他一体の調和された心こそ、私たち人間に秘められている己の心なのです。
この心をまず知る必要があるでしょう。
これを理解しませんと、自分のこともわからないし、他人のこともわかりようがありません。
自分のことがわからないということは、無理な自己主張していてもそれが正しいことだと思っていることが多く、まして、他人の心など思いやる余裕などないでしょう。
なおかつ、社会を動かしている原則も、神の意思も理解できようはずがありません。
そこで、これを理解するには、さきほどの自分の心の諸相を知るようにつとめること。
自分のこれまでの行いを反省を重ねて自己本位の欲望はどこからくるか、うらみ、ねたみ、怒りの感情はどういう経路をたどるかを知る必要かあるわけです。
もう一度、心とは何であるかを見直していただきたい。
そして、自分のこれまでの生き方、行いについて反省が進めば進むほど、自分本位の心がはっきりと映ってきて、これがあるから自分も社会も幸福になれないのだと理解されてくるものです。
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