過剰服薬・死亡の患者

私は、昨日のコラムで『精神疾患・出し過ぎる薬の弊害』と題して早朝に投稿した。たまたま夜に読売新聞の記事で医療ルネサンスを見たら『過剰服薬・死亡の患者も』というタイトルで精神科医療の問題が提起されていたのでした。

私が何年も前から指摘してきた事と同様のことが新聞に載ったので、いいタイミングでもあり、奇遇だなと思いながら、今朝はその記事を原文のままに紹介したい。

以下、読売新聞2013年8月23日から転載。

「精神科の不適切投薬が原因の自殺がある。精神科医は自覚すべきだ」

2013年5月、福岡市で開かれた日本精神神経学会学術総会のシンポジュウム。

北里大病院救命救急センター医師の上條吉人さんが語気を強めた。

会場は厳しい指摘に静まりかえった。

同センターは相模原市で3次救急(生命の危険が及ぶような重症、重篤患者を扱う)を担い、24時間体制で重篤な患者に対応している。

運び込まれる人の10~15%が「自殺企図」および「自傷行為」の患者で、このうち半数(全体の5~7%)を処方薬の過量服用患者が占めている。

「救急医の奮闘を尻目に過量服用患者を次々と生み出し、患者への処方を問い合わせようとしても、夜間や土日は電話もつながらない精神科医たちがいる」

精神科での診療経験もある上條さんは、そんな不満を募らせている。

過量服薬により致死的状態で運び込まれる患者は、バルビツール酸系睡眠薬や、三環系抗うつ薬を飲んでいることが多い。

バルビツール系睡眠薬は呼吸停止、三環系抗うつ薬は深刻な不整脈やけいれん発作を招きやすい。

情緒不安定のため精神科に通院し、バルビツール酸系睡眠薬などを服用していた20歳代の女性は、処方薬依存症に陥った。

過量服薬や手首を切る自傷行為を繰り返したが、精神科では多剤大量処方が続いた。

女性はバルビツール酸系睡眠薬を一度に多く飲み、自宅で心肺停止にあるところを発見された。

同センターに運ばれ、上条さんらが懸命の救命処置を行ったが、低酸素脳症で死亡した。

この女性は、自宅にバルビツール酸系睡眠薬を多くためていた。

「薬の乱用や過量服薬の恐れがある患者に、危険な薬を出すこと自体、考えられないが、精神科では、致死量の薬を1回で出す許し難い処方もしばしば見られる。規制が必要だ」と上條さんは訴える。

ベンゾジアゼピン系薬剤の過量服薬で、同病院に運び込まれる患者も多い。

バルビツール酸系のように強い致死性はないが、服薬後に人が変わって妻への暴力を繰り返したり、急に死にたいという感情が湧き、自殺を図ったりする人もいる。

「酒と同じ部分に働くので、人によっては酩酊して感情の抑制尽きかなくなったり、衝動的になったりする」と上條さんは指摘する。

救急医が患者をいくら救命しても、精神科で依存性や致死性が高い薬が大量処方され続ける限り、過量服薬の病魔から患者を救うことはできない。

●バルビツール酸系睡眠薬(ベンゾジアゼピン系の睡眠薬が登場するまで盛んに用いられた薬で、依存性や副作用が強い。抗精神病薬などを合わせた合剤ベゲタミンは、現在も多く処方されている。)

向精神薬の服用によって依存性が出て、そのことが症状の改善を悪くしたり、あるいは更に悪化したりする事例は、これまでの相談者の実態から確認できてきたことです。

私も力及ばず救いきれなかった人が一人いるのだが、命の尊さを思い残念でならない。

47歳の女性Aさんは病気という病気、つまり、肉体的な病態が発見されないにもかかわらず、ドクターショッピングを繰り返していたのですが、私は向精神薬の弊害と自身の心の傾向性の改善をアドバイスするのだが、全く聞き入れることはしなかった。

苦しさから逃れるために病気を特定してほしいというのだったが、結局、自分の心に問題あることをアドバイスしても受け止めて努力をする姿勢がなくては救いようがない。

求めなければ与えようがない。

彼女は自ら命を絶った。高校生の独り息子を残して。

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