過去に拘り・今を争い・未来を失う
悲しい領海侵入
これまではそれほどのトラブルもなく日本の漁船が漁をしてきた尖閣海域であったが、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の国有化から11日で1年経過した。
カツオやマグロなどの好漁場でもある尖閣諸島の周辺海域はこの間、日中がにらみ合う緊迫の海となり、沖縄から漁に出る船はほとんどいなくなったという。
“国境の島”に生きる漁師たちは、頻繁に侵入を繰り返す中国の公船や漁船に翻弄されている。
「中国公船が常にいて、漁に集中できない」
尖閣諸島の領海で40年以上、カツオ一本釣り漁を続ける伊良部島(同県宮古島市)の漢那(かんな)一浩さん(64歳)はため息をついた。
漢那さんは毎年12月中旬~2月に尖閣に向かう。
片道半日以上かけて通うのは、「脂がのったスマガツオが取れる好漁場」だからだ。尖閣産のスマガツオは人気で、仲買人たちが桟橋で船の帰りを待つほどだという。
1970年代には県内から160隻以上が出漁していたが、今では伊良部島と与那国島(同県与那国町)の数隻となっている。
燃料費の高騰が最大の理由だが、中国公船の航行も要因の一つだという。「みなトラブルに巻き込まれたくないから。連なって航行する公船の間を通り抜けたこともある。不安がないとは言えないよ」
今年2月には、鹿児島県の漁船が、海洋監視船「海監」に接近されるケースも発生。
同県指宿市の指宿漁協などによると、魚釣島沖の領海で一本釣りをしていた漁船2隻に正午頃、海監2隻が近づき、漁船は操業を中止して移動したが、海監は午後5時頃まで追いかけてきたという。
今年5月、漁師とともに現場海域を船から視察した石垣市の伊良皆(いらみな)高信議長(53歳)は、領海侵入してきた海監3隻に取り囲まれた。その際、海監のスピーカーから流暢(りゅうちょう)な日本語で「ただちに出て下さい」との警告が流れたという。
領海侵入している中国海監が日本の船に向かって「ただちに出て下さい」ということ自体おかしな話であるが物量作戦で実行されてしまうと舟の大きさから言って危険回避せざるを得ないだろう。
海保の巡視船が割って入ったが、巡視船と海監のにらみ合いは7時間に及んだ。
伊良皆議長は「間近に迫る中国公船に恐怖を感じた。このままでは漁師が漁に出られず、中国に実効支配されかねない。政府は安心して漁ができるようにしてほしい」と訴えた。
戦後60年を経過してなぜ今、にわかに尖閣海域で領海侵入や領空侵入を繰り返すのか。
これは中国の食糧問題やエネルギー問題という切羽詰まった国の経済問題が背景にあることは明白ではあるが、国をあずかる政治家たちの道徳的な問題、つまりヒューマニズムがどの程度であるかということであろう。
いずこの国も、国民が争いを希望しているはずもなく、リーダーたちが調和を忘れず行政を先導していくならば問題の解決は難しいものではないはずである。
私がこれまで何度も述べてきたことですが、心不在の物質経済至上主義に偏重した人々の生き方は必ず人間関係を粗悪な事態に招き、やがては国同士の争いにまで発展してしまうということだ。
これは今に始まったことではなく、世界の歴史がそれを物語っていることでわかることであります。
領海侵入、領空侵入の問題は自国の都合だけを主張するのではなく、国同士の相互協力という助け合い譲り合いの精神以外に解決の道はないであろう。
世のリーダー達よ、心目覚めよと言いたい。
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