いじめ
きょうはプロスキーヤーで冒険家でもある三浦雄一郎さんの言葉をそのまま掲載させていただきます。2003年5月22日、世界最高峰のエベレストに世界最高齢(ギネスブックに掲載)となる70歳7か月での登頂を果たすなど、数々の記録を残してきた。
以下は三浦雄一郎さんの言。
いじめはあるもの 何かに夢中になってほしい。
『生き物は弱肉強食。動物の世界では弱い者はいじめられる。
でも自殺する動物はいません。最後まで生きようとする。
人間は社会を作って、文明を作った。それでもいじめはある。
大人の社会にもひどいいじめはある。いじめはあるものだ。
なくすのは不可能だと考えた方がいい。』
世界最高齢の70歳でエベレスト登頂を果たした三浦さんはこう言い切る。自身も子供のころ、いじめられたという。
『小学校5回、中学校4回の転校。青森の方言をからかわれ、中学では落第も経験した。
思い詰めて1週間押し入れに閉じこもった。そんなある日、押し入れの前に、エジソンやキュリー夫人など伝記が並んでいた。何気なく手にとると、エジソンも幼いころにいじめられていたことを知った。
もちろん母の作戦。でも、世界の偉人もいじめられていた、苦しみを体験していた、と思うと少し気が楽になった。』
そして、雄一郎少年は母・むつさんに気合を入れられた。
『なにさ、中学1回落第したぐらいで、なにぐずぐずしてるの。あんたの爺さんは1回落ちたら4年は浪人なんだから』と。
母むつさんの父は、村長から中央政界に出た小泉辰之助。
『え、あんな偉いじいさんが?。大人というのは大変なんだと思わずうなずいた。』
『青森の名門・弘前高校時代、北海道大目指して勉強の遅れを取り戻そうと、机に向かっていたときも』
『雄ちゃんなにくよくよ勉強なんかしているの。大学なんて行かなくてもいい。学校行かなくて、歌手や俳優になったっていいじゃない』と笑い飛ばされた。
『祖父譲りの豪胆なむつさんを振り返ると、やはり子は親のコピー。悪いところも良いところも受け継いでいると思うことがある。』
『息子たちも、三浦雄一郎の息子というだけでいじめられた。金をせびられ、顔を腫らして帰ってきたこともあった。学校なんか行く必要ない。子供は自分で守る。面白いことは学校の外にいっぱいある。』
『海や山登り。私の都合に合わせて連れ歩き、うちの子は小学校に半分しか行ってない だから、もし死にたいという子供がいたら、「遊びなさい。わーっと」と言うつもりだ。へとへとになるまで思い切り遊べば、体を動かせば、嫌なことは忘れる。』と
『遊びを通して、思いやりや同情など、人間の基本を学ぶこともできる。死にたいというのは、それしかないと思い込み、真っ暗なトンネルに入ってしまうから。』
『その向こうに光があることを大人は見せてあげないといけない。もしその子が生きていたら、どんな才能が花開いただろう。絵を描くことでも、お菓子作りでも、音楽、コンピューターでもなんでもいい。何かに夢中になってほしい。せっかく生まれてきたのだから』
ここまでが三浦雄一郎氏の言葉です。
この記事を読んで思ったことですが、何が何でも登校や学歴や卒業という前提に立って物事を考えてしまうと、いじめの渦中にある本人にとっては逃げ場がなくなってしまうし、追い詰められてしまう。人間としての子供の心ををつぶしかねない。
母親、むつさんの肝っ玉ぶりは雄一郎少年にとっては懐(ふところ)の深い安心できる唯一の存在であっただろうと思う。
いじめは子供たちだけの問題ではないことは私も承知している。
家庭環境が背景にあり微妙に絡んでいて、そこには大人の問題が潜んでいる。
だいぶ前に学校の職員同士のなかでそれがあることを教師本人から相談を受けたこともある。
教員になるためには高いハードルをクリアする必要があるし、努力も大変なものだろうと思う。しかし、いざ学校社会に勤務していじめをする先生になっている事実、いじめられている教師がいる事実。
私はいつも思う。国家試験を取得するための学習はしてきただろうが、人間として心を豊かにする学習には努力をしない教師もいることは悲しいことです。
同時に国家行政の在り方にも足りないところがあると思えてならない。
教育現場は知識だけを詰め込むところではないはずです。とある専門学校の先生は話していた。学習や資格云々以前に人としての指導に時間が費やされると。
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